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HP-UX システム管理者ガイド : 概要: HP 9000 および HP Integrity システム > 第3章 HP-UX の主なコンポーネント

HP-UX のディレクトリ構造

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HP-UX 11i は、UNIX オペレーティングシステムのすべてのバージョンや他のオペレーティングシステムと同様に、階層型のディレクトリ構造をベースにしており、その中にすべてのオペレーティングシステムのディレクトリとファイル、すべてのユーザーファイルとアプリケーションファイルが格納されています。

ディレクトリ構造全体を 1 つのファイルシステムに格納することもできますが、通常は、ルートファイルシステムマウントポイントと呼ばれる特殊なディレクトリに複数のファイルシステムを接続して構成します。

ツリーの最上位はルートディレクトリと呼ばれ、ディレクトリパス/」で表現されます。

それ以外のすべてのディレクトリとファイルは、ルートディレクトリの下にあります。ディレクトリツリーのそれぞれの階層は、階層をスラッシュ (「/」) で区切り、名前をパスの末尾に付けたディレクトリパス名で表現されます。以下の例を参照してください。

例 3-1 ディレクトリパス名の表記方法

/ 

ルートディレクトリ

/usr 

ルートディレクトリ内の usr ディレクトリ

/home/guest27 

ルートディレクトリ内の home ディレクトリ内の guest27 アカウント

/usr/share/man/man1.Z/cat.1  

cat.1 は、ルートディレクトリ (/) 内の usr ディレクトリ内の share ディレクトリ内の man ディレクトリ内の man1.Z ディレクトリ内のファイルです。これは、cat(1) のマンページのソースファイルの例です。

図 3-1 ディレクトリツリーの例

ディレクトリツリーの例

HP-UX の主要なディレクトリ

この項では、HP-UX のディレクトリ構造内の主要なディレクトリとその用途について説明します。

/dev 

デバイス特殊ファイルが格納されています。デバイス特殊ファイルは、ディレクトリツリー内では通常のディスクファイルのように見えますが、実際には物理デバイスまたは擬似デバイスに関連付けられています。デバイス特殊ファイルは、それが関連付けられているデバイスとデバイスドライバへの入口です。

デバイス特殊ファイルは、ソフトウェアアプリケーションやオペレーティングシステムのコンポーネントから、デバイスにあるデータにアクセスしたり、デバイスのステータスを取得したり、デバイスを別の方法で制御するために読み書きされます。

デバイス特殊ファイルには 2 つのクラスがあります (データ転送時の使われ方による分類)。

  • ブロック型特殊ファイル (データはシステムの通常のバッファリングメカニズムを使ってブロック単位で転送されます。主にファイルシステムをマウントするために使われます。)

  • キャラクタ型特殊ファイル (データはバッファリングされないストリームで転送されます。ファイルシステムのマウント以外のほとんどの用途で使われます。)

HP-UX 11i v3 では、さらに 3 つのクラスのデバイス特殊ファイルがあります (関連付けられたデバイスの参照方法による分類)。

  • 従来のデバイス特殊ファイルは、対応するデバイスをそのデバイスに至るハードウェアパスで参照します。従来のデバイス特殊ファイルは、これまでずっと HP-UX に含まれていたタイプのデバイス特殊ファイルです。HP-UX 11i v3 でも引き続きサポートされており、従来通り機能します。

  • 一貫性のあるデバイス特殊ファイルは、対応するデバイスを、デバイスに組み込まれているか、デバイスに関連付けられている一意のワールドワイド ID (WWID) をベースに参照します。一貫性のあるデバイス特殊ファイルは特定のハードウェアパスに依存しないため、複数のハードウェアパスを単一のデバイス特殊ファイルで表現することができます。これにより、I/O の性能、信頼性、柔軟性の点で HP-UX の多くの新しい機能を実現することができました。

  • 擬似デバイス用のデバイス特殊ファイル。デバイス特殊ファイルの大多数は、実際のハードウェアデバイスには関連付けられていません。実際には擬似デバイスへアクセスして使われることが多く、そのおかげで HP-UX では、プロセスとディスクストレージ間に仮想化レイヤー (たとえば、LVM や VxVM) を導入したり、ターミナル (pty) などのハードウェアデバイスをシミュレートしたり、/dev/null (しばしば「ビットバケツ」と呼ばれるデバイスファイルで、不要な出力を受信して破棄するために使われます) などの役に立つ抽象化機能を導入することが可能になっています。HP-UX には、各種の目的で使われる擬似デバイスが多数あります。大部分の擬似デバイスは、『HP-UX リファレンス』のセクション 7 のマンページで説明されています。

/etc 

/etc ディレクトリには、以下の操作に必要なファイルを含めシステムワイドの設定ファイルが格納されています。

  • ブートやシャットダウンの動作のカスタマイズ

  • ネットワークの構成

  • マウント対象とするファイルシステムの設定

  • ユーザーとグループの定義

  • 論理ボリュームの定義

上記のリストはほんの一部です。/etc には、互換性のために、いくつかの他のディレクトリ内のコマンド (かつては /etc ディレクトリにあったコマンド) へのシンボリックリンクも格納されています。

/etc/opt/product 

いくつかのオプションの製品では、サーバーへの追加時に、/etc/opt ディレクトリの下にサブディレクトリが作成され、その製品固有の構成情報が格納されます。

/home 

/home ディレクトリは、ユーザーアカウントのホームディレクトリのデフォルトの場所です。たとえば、ユーザー名が thomas のユーザー「 Thomas」 を HP-UX サーバーに登録すると (ホームディレクトリの場所をデフォルトのままにしておいた場合には)、Thomas のホーム (ログイン) ディレクトリは /home/thomas になります。

/opt 

/opt ディレクトリには、アプリケーションソフトウェアと、実行可能なシステムとして最低限必要な HP-UX 11i オペレーティングシステムのシステムコンポーネント以外のコンポーネントが格納されます。

/sbin 

ブート時または重要な共有ライブラリが破損したときに必要となる重要なプログラムの静的リンク版が格納されます。/sbin は、システムがマルチユーザーモードになっていないときや、/usr ファイルシステムがまだマウントされていないときに使われます。

/stand 

/stand ディレクトリは、ルートファイルシステムの一部です (システムの起動シーケンス中にマウントされる最初のファイルシステムです)。/stand は、ブートローダーがカーネルファイルをディスクから読み込み実行を開始するときに使われる特殊なディレクトリです。

/tmp 

/tmp ディレクトリは、一時的なスクラッチファイル用のディレクトリです。特に、システムの起動時に、/var にマウントされるファイルシステムが利用可能になる前に使われます。

一部のシステムでは、/tmp の内容はブートのたびに消去されます。その他のシステムでは、手作業による /tmp の保守を選択することができます。いずれにしても、/tmp にはファイルを長期間保存しないでください。いつかは失われる可能性があります。/var/tmp も参照してください。

/usr 

通常はシステムのブート時には不要な、多くの HP-UX リソースが格納されます。

ディレクトリ //usr にあるファイルは読み取り専用で使われることが前提になっているため、必要ならばネットワークリソースから読み取り専用モードでマウントすることができます。HP-UX のコンポーネントやアプリケーションでファイル (たとえばログファイル) をアップデートする必要がある場合には、このようなファイルは /var などの書き込み可能なファイルシステムに格納しておく必要があります。

/usr/bin 

動的にリンクされる必要不可欠ではないコマンドとプログラムが格納されます。システムがマルチユーザーモードになった後に大部分のユーザーで使われます。/usr/bin 内のコマンドとプログラムは、システムをブートするためには必要ありません。 これらのコマンドは、それが格納されているファイルシステムがマウントされた後にしか使うことができません。

/usr/lib 

/usr/bin 内のバイナリによって使われる共有ライブラリが格納されます。

/usr/sbin 

動的にリンクされた必要不可欠ではないコマンドが格納されます。システムがマルチユーザーモードになった後にシステムを管理するために使われます。これらのコマンドは、それが格納されたファイルシステムがマウントされた後でしか使うことができません。

/var 

var」 は、variable (可変) の略です。このディレクトリ (通常はマウント可能なファイルシステムに関連付けられています) には、可変データ、すなわち、システムの動作中に必ず変更されるファイル (たとえば、必ず書き込みが行われるログファイル) が格納されます。

/var/opt/product 

いくつかのオプションの製品では、サーバーへの追加時に、/etc/opt ディレクトリの下にサブディレクトリが作成され、その製品固有の情報が格納されます。

/var/tmp 

/var/tmp ディレクトリは、一時的なスクラッチファイル用のディレクトリです。システムのブートが完了した後は、/tmp ディレクトリよりも優先的に使われます (/var は短期的なデータを前提としており、一時的なデータは明らかに短期的です)。

/var/tmp ディレクトリは、/tmp ディレクトリと同様に、一時的なファイル (長期間保存しないファイルで、必要不可欠ではないファイル) のためだけに使う必要があります。/var/tmp のファイルは、/tmp とは異なり、システム起動時に削除されることはありませんが、両方の tmp ディレクトリ内のファイルの削除は設定 (削除の時期や削除するかしないかの設定) 可能であり、システムに依存します。

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