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パッチ管理ユーザーガイド: HP-UX 11.x システム用 > 第3章 HP-UX パッチの概要

パッチ関連の概念

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パッチは通常、不具合を修正するものとして認識されていますが、その他にも、新しい機能を提供し、新しいハードウェアを使用可能にし、ファームウェアをアップデートします。次のパッチ関連の概念を理解することをお勧めします。

パッチ ID

HP は、HP-UX パッチそれぞれに一意の ID(パッチ ID) を割り当てています。各 HP-UX パッチ ID のフォーマットは PHXX_##### です。

  • PH は、パッチ HP-UX の略語です。

  • XX には、パッチが適用される HP-UX サブシステムを表す次の値のいずれかが入ります。

    • CO = コマンドパッチ

    • KL = カーネルパッチ

    • NE = ネットワークパッチ

    • SS = その他のすべてのサブシステムに関連するパッチ

  • ##### には、4 桁または 5 桁の一意の数値が入ります。

    一般に、パッチ ID の数値部分は、パッチのリリースが新しいほど高くなります。

HP-UX ソフトウェアの構造

この章に記載した一部のトピックをよく理解するには、HP-UX ソフトウェアの基本的構造を知っている必要があります。パッチは、このソフトウェア構造の一部です。また、Software Distributor を使用する必要があります。

次のリストは、HP-UX ソフトウェアを構成する SD-UX(Software Distributor for HP-UX) ソフトウェアオブジェクトの概要を示しています。

  • ファイルセット

    • ファイルセットとは、プロダクトに含まれる 1 つ以上のファイルのグループです。ファイルセットは、プロダクトのファイルのサブセットを、扱いやすい単位にまとめたものです。

    • ファイルセットには、プロダクトを構成するファイルと制御スクリプトが含まれます。制御スクリプトの詳細は、HP テクニカルドキュメント Web サイト (http://docs.hp.com/ja ) の『 Software Distributor 管理者ガイド』を参照してください。

    • ファイルセットは、プロダクト内に存在しなければなりません。

    • パッチには一意の名前がありますが、パッチに含まれるファイルセットの名前は、パッチが適用されるベースファイルセットと同じです。

  • プロダクト

    • プロダクトとは、ユーザーが入手してインストールできるようにパッケージされ配布されるソフトウェアオブジェクトです。

    • プロダクトは 1 つ以上のファイルセットから構成されますが、1 つ以上の制御スクリプトが追加されることもあります。

    • プロダクトはバンドル内に存在することも、独自の要素として存在することもできます。

  • バンドル

    • バンドルとは、プロダクトを 1 つのソフトウェアオブジェクトにまとめたものです。

    • バンドルは、オプションのソフトウェアオブジェクトである場合があります。

    • プロダクトオブジェクトは、参照としてのみバンドルに含まれます。

    • バンドル内のプロダクトがすべてパッチである場合、そのバンドルはパッチバンドルと呼ばれます。

これらのソフトウェアオブジェクトの詳細は、HP テクニカルドキュメント Web サイト (http://docs.hp.com/ja ) の『 Software Distributor 管理者ガイド』を参照してください。

パッチバンドル

パッチバンドルは、パッチ管理において重要な役割を果たします。パッチバンドルとは、特定のニーズに合わせて 1 つのソフトウェアオブジェクトにまとめられたパッチの集まりです。多くの HP-UX ユーザーにとって、パッチを個別に入手してインストールするよりも、パッチバンドルを入手してインストールした方がパッチ管理プロセスが容易です。

初めて使用するパッチバンドルが HP の標準 HP-UX パッチバンドルであることが考えられます。これらのバンドルには、特定のニーズに合わせて HP が作成したパッチが含まれています。たとえば、Quality Pack パッチバンドルの基本的な目的は、事前対応型メンテナンス用の不具合修正パッチを提供することです。HP はバンドルのアップデートバージョンを定期的にリリースしており、高い信頼性を保証するテストを行っています。標準 HP-UX パッチバンドルは、個別パッチを入手してインストールする場合に比べ、エラーが少なく、効率的にシステムに適用できます。詳細は、第5章 「標準 HP-UX パッチバンドルについて」を参照してください。

システムに適用するすべてのパッチを正常にインストールするため、各パッチバンドルにはすべてのパッチ依存関係が含まれています。また、HWEnable11i および FEATURE11i などの一部のパッチでは、I/O ドライバ製品 (USB-00 など) を含むプロダクトバンドルを正常にインストールするためのパッチを提供しています。パッチ依存関係を含むプロダクトバンドルを選択すると、適用可能なパッチバンドルから必要なパッチが自動的に選択されます。このパッチ依存関係による自動パッチ選択により、プロダクトまたはパッチ依存関係を持つパッチの管理とインストールを簡素化できます。

パッチバンドルにより、システムの現在のパッチレベルを簡単に特定することもできます。たとえば、インストールしたバンドルに何百もの個別パッチが含まれる場合がありますが、swlist コマンドを実行しても、デフォルトでは、バンドルに含まれる各個別パッチではなくバンドルの名前のみ一覧表示されます。

たとえば、2003 年 12 月の Quality Pack パッチバンドルを HP-UX 11i v1 (B.11.11) システムにインストールしている場合、バンドルに関して次のような出力が表示されます。

GOLDAPPS11i  B.11.11.0312.4 Gold Applications Patches for HP-UX 11i v1,
                            December 2003 
GOLDBASE11i  B.11.11.0312.4 Gold Base Patches for HP-UX 11i v1,
                            December 2003

ご使用のシステム上のプロダクトを一覧表示する方法の詳細は、「システム上のパッチの特定」を参照してください。

IT リソースセンターのパッチ評価ツールを使用すれば、独自のカスタムパッチバンドルを作成できます。詳細は、第11章 「その他のパッチツールの使用」を参照してください。

ソフトウェアデポとパッチデポ

ソフトウェアデポ (または単にデポと呼ぶこともあります) は、パッチ管理に欠かせない要素です。デポとは、ソフトウェアリポジトリとして SD-UX で使用するためにフォーマットされた、特別な種類のファイルまたはディレクトリです。一般に、デポにはさまざまなソフトウェア製品が含まれます。デポは、SD-UX ファイルシステムまたは CD や DVD メディア上にディレクトリツリーとして存在することができます。また、シリアルメディア (テープ) にテープアーカイブ (tar) として存在することもできます。すべてのデポで、単一の論理フォーマットを共有します。デポが存在するメディアのタイプには依存しません。デポはローカルシステムまたはリモートシステムに存在することができます。ソフトウェアを直接デポにパッケージするか、別の場所からパッケージ化したソフトウェアをデポにコピーすることもできます。このガイドでは、パッチとパッチバンドル用のリポジトリとしてのデポに焦点を絞ります。このようなデポは、パッチデポと呼ばれます。

パッチデポは、パッチを管理するための非常に効果的な機構です。さまざまなパッチ管理ニーズに合わせてユーザー独自のカスタムパッチデポを作成できます。また、別のシステムへのパッチまたはバンドルのインストールソースとして機能するパッチサーバー上に配置する、特別なデポを作成することもできます。

HP は、パッチデポを使用してパッチとパッチバンドルを提供しています。デポの詳細は、第8章 「パッチ管理でのソフトウェアデポの使用」を参照してください。

パッチステータス

パッチは、関連するステータスを持ちます。パッチステータスの初期値は変更されませんが、パッチ修飾キーの期限内に追加されることがあります (この項で説明しています)。パッチステータスの値は、ステータスフィールドで知ることができます。このフィールドは、ITRC の『パッチの詳細』ページとパッチテキストファイルにあります。『パッチの詳細』ページを調べれば、パッチステータスの最新の値を知ることができます。パッチステータスの値とそれを説明する修飾キーは、次のとおりです。

パッチステータスの初期値は、次のとおりです。

  • General Release (GR)

    HP は、さまざまな用途の GR パッチを承認しています。

  • Special Release (SR)

    HP は、SR パッチの配布を限定しています。このパッチは、特別な配布チャンネルを通じてのみ入手できます。

パッチステータス値の修飾キーは、次のとおりです。

  • Superseded

    パッチが新しいパッチに取って代わられていることを示します。置換の詳細は、「アンセスタと置換」を参照してください。

    追加のパッチステータス値 General Superseded Special Superseded が生成されます。

  • With Warnings

    パッチに関連する警告があることを示します。警告の詳細は、「パッチ警告」を参照してください。

    追加のパッチステータス値 General Release With Warnings Special Release With Warnings が生成されます。

ほとんどのパッチのステータスは、General Release または General Superseded です。

パッチ状態

ターゲットシステムにインストールされているパッチには、パッチに関する情報を提供する patch_state という属性が割り当てられます。たとえば、patch_state により、パッチがコミットまたは置換されているかどうかが分かります。属性の詳細は、「パッチ関連の属性」を参照してください。

patch_state の値として、次の 4 つがあります。

  • applied

    パッチが現在システム上でアクティブであり、ロードされた置換チェーンの最新メンバーです。

  • committed

    パッチのロールバックファイルが削除されているか、あるいはロールバックファイルを保存しないでパッチがインストールされました。 このパッチをシステムから直接削除することはできません。パッチのロールバックの詳細は、「パッチのロールバックとコミット」を参照してください。

  • superseded

    パッチが、システムにインストールされた別のパッチによって置換されています。置換の詳細は、「アンセスタと置換」を参照してください。

  • committed/superseded

    パッチがコミットされ、システムにインストールされた別のパッチによって置換されています。

    重要: HP-UX 11.0 システムでは、patch_state の値が committed/superseded である場合に正しく機能するために、パッチ PHCO_22526 または置換する側のパッチをインストールする必要があります。

次の SD-UX コマンドを実行して、patch_state 値を特定してください。

  • パッチ patch_id patch_state 値を表示するには、次のコマンドを実行します。

    swlist -l fileset -a patch_state patch_id

  • ローカルシステム上のすべてのパッチの patch_state 値を表示するには、次のコマンドを実行します。

    swlist -l fileset -a patch_state *,c=patch

swlist コマンドの詳細は、「システム上のパッチの特定」を参照してください。

状態

ファイルセット (パッチと非パッチ) は、ファイルセットの現在のインストール状態を示す state という属性を持っています。インストール時、ソフトウェアは、transientinstalled、および configured という状態を推移します。削除時、ソフトウェアは、configuredinstalled、および transient という状態を推移します。

SD-UX の動作により、ファイルセットは次のいずれかの状態になります。

  • installed

    ソフトウェアのインストールが成功しましたが、まだ構成されていません。

  • configured

    ソフトウェアのインストールと構成が成功しました。これ以上の操作は不要です。

  • corrupt

    SD-UX のソフトウェアインストールチェックで、予期しない状態が発生しました。

  • transient

    SD-UX がソフトウェアの位置を変更しているとき、ソフトウェアの状態は transient です。転送中に中断があった場合、状態は transient のままになります。

これらの状態の詳細は、HP テクニカルドキュメント Web サイト (http://docs.hp.com/ja ) の『 Software Distributor 管理者ガイド』を参照してください。

次の swlist コマンドを実行して、パッチ patch_id の状態を表示してください。

swlist -l fileset -a state | grep patch_id

swlist コマンドの詳細は、「システム上のパッチの特定」を参照してください。

カテゴリタグ

特定パッチのおおよその目的を簡単に判断できるように、パッチにカテゴリ (またはカテゴリタグ) が割り当てられています。 1 つのパッチに複数のカテゴリが割り当てられることがあります。この項では、一般的なパッチカテゴリの一覧を挙げます。パッチは、常にカテゴリタグ patch が割り当てられています。

カテゴリタグはいくつかの SD-UX コマンド (swinstallswcopy) とともに使用できますが、swlist とのみ使用することをお勧めします。

パッチは累積的であるため、パッチの複数のカテゴリタグが、パッチのアンセスタから継承されます。このため、重大な問題を修正するパッチ A が作成された場合、そのパッチには critical タグが割り当てられ、そのパッチを置換するすべてのパッチにも critical タグが割り当てられます。

次の方法でパッチのカテゴリを知ることができます。

  • パッチの詳細』ページまたはテキストファイルの Caterory Tags フィールドを調べる。

  • 次の swlist コマンドを実行する。

    swlist -l product -a category_tag patch_id

このコマンドを実行すると、これまでユーザーが手動でパッチに追加したカテゴリタグも表示されます。カテゴリタグを使用する swlist コマンドの例と、swlist コマンドの詳細は、「システム上のパッチの特定」を参照してください。

次に、パッチ関連カテゴリのサブセットを挙げます。

  • patch

    is_patch 属性がtrue に設定されているソフトウェアオブジェクトには、組み込みの予約済みカテゴリ patch が割り当てられるため、パッチは常にこのカテゴリタグを持ちます。属性の詳細は、「パッチ関連の属性」を参照してください。

  • hardware_enablement

    新しいハードウェアをサポートするパッチです。

  • enhancement

    追加機能を提供するパッチです。

  • special_release

    • 配布が制限され、通常は 1 人の特定ユーザーまたは複数のユーザーがインストールすることを想定したパッチです。

    • special_release パッチに関する情報は、ITRC のパッチデータベースまたはその他の公式 HP 情報源から入手できるとは限りません。ただし、他のパッチに関する情報を表示する際に、これらのパッチへの参照が含まれていることがあります。

    • パッチは、このタグを継承できません。

  • critical

  • firmware

    ファームウェアアップデートを提供するパッチです。

  • manual_dependencies

    • SD-UX ツールによって強制されない依存関係を、1 つまたは複数含むパッチです。 詳細は、「パッチ依存関係」を参照してください。

    • パッチは、このタグを継承できません。

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