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swapon(1M)

HP-UX 11i Version 3: February 2007
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名称

swapon ― ページングのためのデバイスまたはファイルシステムのイネーブル

構文

形式 1 : 定義済みのスワップをすべて有効にする

/usr/sbin/swapon -a [-u] [-t type]...

形式 2 : 指定するブロックデバイスのページングを有効にする (現在のブート用)

/usr/sbin/swapon [-e |-f] [-p priority] [-u] device ...

形式 3 : 1 次ページングデバイスを定義する (次回のブート用)

/usr/sbin/swapon [-e |-f] -s [-S start] [-L length] [-u] device

形式 4 : 以前設定した 1 次ページングデバイスを構成解除する (次回のブート用)

/usr/sbin/swapon -R device

形式 5 : ファイルシステムスワップを有効にする (推奨形式)

/usr/sbin/swapon [-m min] [-l limit] [-r reserve] [-p priority] directory ...

形式 6 : ファイルシステムスワップを有効にする (廃止予定の形式)

/usr/sbin/swapon directory [min limit reserve priority]

説明

swapon コマンドは、ページングを行うデバイス、 またはファイルシステムを使用可能にします swapon コマンドは、次回のブートで使用する 1 次ページングデバイスの構成も行います。 (注意:「スワップ (swap)」とは、 仮想メモリーの旧式の実現仕様のことです。HP-UX は実際には、 スワッピングではなくページングの形式で 仮想メモリーを実現しています。 このコマンド、およびその他のコマンドでは、 互換性を保証する目的で `swap' による名前が保持されます)。

ページング用の デバイス をイネーブルにすることにより、ページングの間に直接 (ファイルシステムを経ずに) デバイスにアクセスすることができます。 ページング用に ファイルシステム を使用可能にすると、 ファイルシステムを介してデバイスに間接的にアクセスします。 これらには、それぞれ長所と欠点があります。 ページング用デバイス、またはファイルシステムを使用可能にするときは、 次の点に注意してください。

デバイス に直接ページを行うと、 ファイルシステムを介した場合より一段と高速に処理されます。 ただし、ページングに割り当てられたデバイス上のスペースは、 これがページング用として実際には使用されていない場合でも、別の用途 に使用することはできません。

ファイルシステム でページングを行うと、低速ではある一方、 デバイス上の空間をより効率的に利用するようになります。 この場合、ページングには使用されないスペースはファイルシステムが使用できます。 ネットワークを介してリモートマシンにページングすると必ず、 ファイルシステムページングが行われます。

システムは、ブートストラップ時に必要なディスクが 1 つで済むように、単一のデバイ スでページングを行うことにより、システムを開始します。 swapon への呼び出しは、通常、システムの起動スクリプト /sbin/init.d/swap_start で行い、ページング動作が複数のディスクに分散されて、 すべてのページング領域が利用されるようにします。

通常は、-a 引き数を指定すると (『構文』 の形式 1 を参照)、 swap とマークされた全デバイスと、/etc/fstab ファイルで swapfs とマークされた全ファイルシステムをページングシステムが使用できるようになります。 /etc/fstab の最初のフィールド、( special_file_name または directory を使用して、システムは、 どのブロック型デバイスまたはファイルシステムを使用するのかを判断します ( fstab(4) 参照)。 swap エントリーごとに指定する special_file_name は、ブロック スペシャルファイルを指定しなければなりません。 swapfs エントリーごとに指定する directory は、使用可能にするファイルシステム内のディレクトリを指定しなければなりません。

swapon の形式 2 では、-p オプションを指定して、 特定のブロック型デバイスを、 現在のブートでページングに使用できるようにします。 device 名には、ブロック スペシャルファイルを指定しなければなりません。 2 つ以上の device を指定する場合は、 指定したあらゆるオプションがすべてのデバイスに適用されます。

swapon の形式 3 では、-s オプションを指定して、特定のブロックデバイスが 次回のブートで 1 次ページング領域として使われるように構成します。

形式 2 と形式 3 では、 ファイルシステムが指定のブロック型デバイスに存在している場合に、-e-f オプションのいずれも指定しないと、swapon は実行されず、エラーメッセージが表示されます。 これは、意図せずファイルシステムを破壊してしまうのを防ぐためです。 ファイルシステムの終端部とデバイスの終端部の間にあるスペースを、 ページング用に要求する場合は、 -e を指定します。ファイルシステムを含むデバイスへ強制的にページングする場合 (ファイルシステムが破壊されます) は、-f オプションを使用することができます。 -f オプションを使用する際は、細心の注意が必要です。

形式 2 と形式 3 のどちらを使用する場合でも、システムダンプ情報を取り出すために savecrash コマンドが使用中であると swapon が判断した場合は、 デバイスへのページングを有効にできず、警告メッセージが表示されます (savecrash(1M) 参照)。 -u オプションは、 savecrash によって使用されているデバイスへのページングを、 強制的に有効にしたい場合に使用できます。 ただし、これによって、そのデバイスに格納されているシステムダンプ情報が 上書きされる可能性があります。

swapon の形式 4 では、-R オプションを指定して、次回のブートのための 1 次ページング領域として、 以前に定義したブロックデバイスを構成解除します (-s オプションを参照)。

swapon の最後の 2 つの形式は、 ファイルシステムをページング用に使用可能にするための方法です。 形式 5 が推奨されている方法です。 形式 6 は廃止予定であり、旧製品との互換性のためだけに提供されています。 これらの形式で指定するディレクトリ名 directory には、ページング用に使用可能にされるファイルシステム上の ディレクトリを指定します。 /paging という名前のディレクトリが、指定されたファイルシステムのルートに作成されます (ただし、ファイルシステムの名前が /paging で終わっている場合を除きます)。 ページングファイルはすべて、このディレクトリ内に作成されることになります。 形式 6 のオプションの引き数の意味は、 形式 5 のオプションへの引き数と同じ意味を持ちます。 形式 6 では、オプションの引き数を指定する場合は、 必ずすべてのオプションを指定する必要があることに注意してください。 形式 5 で、複数のディレクトリを指定した場合は、 指定したすべてのオプションは、すべてのディレクトリに適用されます。

ファイルシステムをページング用として使用可能にした後で、 オプションの引き数は、以降の swapon コマンドで変更できます。

オプション

swapon に指定できるオプションと引き数は、次のとおりです。

-a 

swap とマークされたすべてのデバイス、および /etc/fstab ファイルで swapfs が指定されたすべてのファイルシステムが ページングシステムで使用できるようにします。 swapon が読み取る /etc/fstab エントリーの オプション フィールドは、 次のようにフォーマットされた要素を含んでいなければなりません。

min=min 

min の値については -m オプションを参照してください。

lim=limit 

limit の値については -l オプションを参照してください (ファイルシステムのページング領域のみ)。

res=reserve 

reserve の値については -r オプションを参照してください (ファイルシステムのページング領域のみ)。

pri=priority 

priority の値については -p オプションを参照してください (ファイルシステムのページング領域のみ)。

end 

このオプションの意味については -e オプションを参照してください (ファイルシステムのページング領域のみ)。

エントリー例については fstab(4) を参照してください。

-e 

ページング用に、 ブロック型デバイスのファイルシステムの終わりにあるスペースを使用します。 デバイス上にファイルシステムが見つからない場合は、エラーメッセージが返されます。 このオプションを -f オプションとともに使用することはできません。 これを、ファイルシステムに対するページングと混同しないでください。 このオプションは、ファイルシステムおよび 専用のページング領域の 両方 が存在するディスクで使用するものです。

-f 

device が強制的に使用可能になり、そのデバイス上のファイルシステムが 破壊されます。 したがって、細心の注意が必要です。 通常、使用可能にする device にファイルシステムが存在すると、 swapon は、失敗して警告メッセージを出力します。 このオプションは、 -e オプションとともに使用することはできません。

-l limit 

limit は、ディスク内でページングシステムへの利用を許可する最大スペースを 指定します。ただし、そのスペースは利用可能な状態であり、 ファイルシステムが排他的に使用していないことが前提です。 limit の値は、 ページング割り当てのチャンクサイズの倍数になるように切り上げられます。 これは、カーネル調整パラメータ swchunk ( swchunk(5)kctune(1M) および swapinfo(1M) 参照) でセットできます。『警告』 を参照してください。 limit のデフォルト値は 0 で、ページングシステムが使える ファイルシステムのスペースには制限がないことを示しています。

limit は、10 進数 (プリフィックスは不要)、 8 進数 (プリフィックスは 0)、 または 16 進数 (プリフィックスは 0x) で指定できます。 キロバイト単位 (サフィックス k)、 メガバイト (サフィックス M)、 またはファイルシステムのブロック単位 (サフィックスなし) の形式で指定できます。 (1 キロバイトは 1024 バイト、1 メガバイトは 1024 キロバイトに相当します。 ファイルシステムブロックのサイズは、 管理者がファイルシステムを作成するときに決めます。)

-L length 

次回のブートのために 1 次ページングデバイスを構成する場合に、length オプションは、 ページングに使用する最大のブロック数を指定します。 length のデフォルトはデバイスの終端までです。 -L length オプションは、 次回のブートで使用する 1 次スワップスペースを定義する場合にのみ使用できます。 そのため、-L オプションと同時に -s オプションも使用する必要があります。

-m min 

min は、ページングシステムがファイルシステムから最初に取り出すスペースを示します。 min の値は、 ページング割り当てのチャンクサイズの倍数になるように 切り上げられます。 これは、 カーネルの調整パラメータ swchunk ( swchunk(5)kctune(1M) および swapinfo(1M) 参照) でセットできます。 min のデフォルト値は 0 で、 ページングシステムが使えるファイルシステムのスペースには 制限がないことを示しています。 min は、上記の limit と同じ形式で指定することができます。

-p priority 

priority は、ページングに使用するファイルシステムと デバイスからスペースを取り出す順序を示します。 スペースは、優先順位の低い方のシステムから先に取り出されます。 ほとんどの場合、スペースは優先順位にはかかわらず、 ファイルシステムのページング領域の前に、 デバイスページング領域から取られます。詳細については、 swapinfo(1M) の 「ページング割り当て」を参照してください。 priority には、0 〜 10 の間の任意の値を設定でき、デフォルトの設定値は、1 です。

-r reserve 

reserve は、ファイルシステム専用に確保されている空間として、現在ファイルシステムが占有しているスペースの他に、ファイルシステムブロックの数を指定し、それらをページングシステムで使用できないようにします。 この予約スペースはファイルシステムの作成時に管理者が指定する 最小限のフリースペース以外の領域です。『警告』 を参照してください。 reserve のデフォルト値は 0 で、ファイルシステム専用に確保されている ファイルシステムスペースがないことを示しています。 ブロックサイズは、ファイルシステム作成時に管理者によって定義されます。 reserve は、上記の limit と同じ形式で指定できます。

-R 

以前に (-s オプションを使って) 設定した、 次回ブート用の 1 次ページングデバイスの構成を解除します。

-s 

次回以降のブート用に、1 次ページングデバイスを構成します。 (-L および -S も参照)。

-S start 

次回のブート用に 1 次ページングデバイスを構成する場合に、 ページング領域の開始点を、デバイス上のブロックアドレス start で指定します。 start のデフォルト値は 0 であり、 すなわち、そのデバイスはページング専用となります。 ブロックの開始位置の指定は、 次回以降のブート用に 1 次スワップスペースを定義する場合にのみ指定できます。 そのため、-S オプションと同時に -s オプションも指定する必要があります。

-t type 

はページング領域のタイプを制限します。 -t オプションを省略すると、 /etc/fstab で定義された全ページング領域が利用可能になります。 type の値は次のいずれかです。

dev 

デバイスとして定義されたページング領域

fs 

ファイルシステムのページング領域

local 

ローカルシステムに定義されたページング領域

remote 

リモートシステムに定義されたページング領域

-u 

savecrash コマンドによって使用されている ブロック型デバイスファイルのロックを解除します。 savecrash コマンドがデバイスを使用して、システムダンプ情報を検索している場合は、通常、swapon はページングを使用可能にできません。 使用中のデバイスのリストは、ファイル /var/adm/crash/.savecrash.LCK に保守されています。このオプションを使用すると、 デバイスが強制的に使用可能になり、 デバイスにあるシステムダンプ情報がすべて上書きされる可能性があります。 このオプションは、細心の注意を払って使用してください。

戻り値

swapon は、次の値の内の 1 つを返します。

 0 

正常終了しました。

>0 

エラー状態が発生しました。

最初の 2 つの例では、 /paging ディレクトリのあるファイルシステムへのページングを可能にします。 ページングシステムが使用できるファイルシステムのブロックの最大数は、 5000 個に設定され、 ファイルシステム専用に確保されるファイルシステムブロックの数は、 10000 個に設定されています。優先順位は 2 です。 ページングシステムによって最初に取り出されるファイルシステムブロックの数は、最初の例では、デフォルトとして 0 に設定され、2 番目の例でも 0 に設定されています。 8KB のブロックサイズのファイルシステム上では、これらの例は、約 40MB のファ イルシステム ページング領域を割り当てます。

  • /usr/sbin/swapon -l 5000 -r 10000 -p 2 /paging

    /usr/sbin/swapon /paging 0 5000 10000 2

この例では、2 つのブロック型デバイスへのページングを可能にし、 両方のデバイスの優先順位を 0 に設定しています。

/usr/sbin/swapon -p 0 /dev/dsk/c10t0d0 /dev/dsk/c13t0d0

この例では、ページング用のファイルシステムの後にあるスペースを使用し、 優先順位のデフォルトを 1 にして、 ブロック型デバイスへのページングを可能にします。

/usr/sbin/swapon -e /dev/dsk/c4t0d0

この例では、ブロック型デバイスへのページングを可能にし、ファイルシステムが デバイスに存在していてもページングを強制的に行います。

/usr/sbin/swapon -f /dev/dsk/c12t0d0

この例では、次回のブート用に 1 次ページングデバイスを定義します。 指定したデバイスにあるファイルシステムの終端以降から、 デバイス自体の終端までの間にあるスペースをページングに使います。

/usr/sbin/swapon -s -e /dev/disk/disk10

この例では、次回のブート用に 1 次ページングデバイスを定義します。 デバイスの先頭から 1024Kb の位置にある 8192Kb のスペースを ページング用に使います。

/usr/sbin/swapon -s -S 1024 -L 8192 /dev/disk/disk10

警告

VxVM 3.5 を使用しているシステムでは、システムクラッシュのダンプ用に構成する スワップボリュームは、usage-type を swap として作成されていなくてはいけません。 そうでない場合は、ダンプが破損することになります。 vxassist(1M)-U オプションを使用して、usage-type を設定することができます。

ファイルシステムブロックがページングスペース用に割り当てられていると、 システムをリブートしない限り、ファイルシステムがアンマウントできなくなります。

システムが実行中の間に、ページング領域が利用できなくなった場合、たとえば リモートシステムへのページング中にネットワークが故障したりすると、 システムは即座に停止します。

-l オプション、 -m オプション、および -r オプションで使用されるファイルシステムのブロックサイズは、ファイル システムによって異なり、ファイルシステムの作成時にシステム管理者が定義 しれます。特定のファイルシステム用のブロックサイズを決定するために、 dumpfs コマンドを使用することができます ( dumpfs(1M) を参照)。

-l-r オプションを使用すると、 -r オプションで指定する予約スペースが -l オプションより優先します。したがって、

D  

= 一般ユーザーが使用できるディスクスペースの合計量

R  

= -r オプションによって指定される予約スペース

limit  

= -l オプションによって指定されるページング領域

L  

= ページングシステムが現在使用可能なスペース

F  

= 現在ファイルシステムによって占有されているスペース

次に挙げる関係があてはまります。

F + R + limit < D
  

通常の操作の場合

L = 0 

F + R >= D の場合

0 <= L <= limit 

F + R + limit >= D の場合

ファイル

/dev/dsk/ccardttargetddevice
  

通常のページングデバイス

/etc/fstab 

ファイルシステムテーブル

/var/adm/crash/.savecrash.LCK
  

savecrash が使用中のデバイスのリスト

著者

swapon は、HP およびカリフォルニア大学バークレイ校が開発しました。

参照

kctune(1M), savecrash(1M), swapinfo(1M), vxassist(1M), swapctl(2), swapon(2), fstab(4), swchunk(5)

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