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HP-UX リファレンス: セクション 1 : ユーザーコマンド (A~M) > c

chatr_pa(1)

PA-RISC システム用
HP-UX 11i Version 2: September 2004
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名称

chatr_pa: chatr ― プログラムの内部属性の変更

構文

PA-RISC 32 ビット SOM chatr

chatr [-nqsMN [z|Z]] [-l library] [-B mode] [+b flag] [+dbg flag] [+es flag] [+mergeseg flag] [+gst flag] [+gstbuckets size] [+gstsize size] [+k flag] [+l library] [+pd size] [+pi size] [+plabel_cache flag] [+q3p flag] [+q4p flag] [+r flag] [+s flag] [+z flag] file ...

PA-RISC 64 ビット ELF chatr

PA-RISC 64 ビットの chatr を実行するには 2 つの構文形式があります。

フォーマット 1: 第 1 の構文形式は、SOM chatr と互換性があり、 旧製品との互換性およびシングル テキストセグメントとシングル データセグメントのみの通常のファイルを簡単に操作するのに使用します。

chatr [-nqszZ] [-l library] [-B mode] [+b flag] [+cd flag] [+ci flag] [+es flag] [+gst flag] [+gstsize size] [+k flag] [+l library] [+md flag] [+mi flag] [+pd size] [+pi size] [+s flag] [+z flag] file ...

フォーマット 2: 第 2 の構文形式には、変更するセグメントを明示的に指定する機能があります。

chatr [-s] [-B mode] [+c flag] [+dz flag] [+k flag] [+m flag] [+p size] [+r flag] [+s flag] [+si index | +sa address | +sall ] [+z flag] file ...

説明

chatr を使用すると、32 ビットモード SOM および 64 ビットモード ELF ファイルの、プログラムの内部属性を変更できます。

-s が指定されている場合を除き、 chatr は、終了時に標準出力へファイルの新旧の値をプリントします。

+pd および +pi オプションでは、仮想メモリのページサイズについてのヒントのみを指定します。 実際のページサイズは異なる可能性があります。 ある状況下においては、特定のアプリケーションのメモリ要件によっては、ページサイズのヒント L で、より高いパフォーマンスが得られます。

アプリケーションによっては、静的分岐予測によって高パフォーマンスが得られるものもあり、そうでない場合もあります。 +r オプションでは、この機能を使用したほうがよいかそうでないかのヒントを指定します。

+gst および関連のオプションを使用すると、エクスポートされたシンボルの検索を高速化するグローバルシンボルテーブルの使用により性能が向上します。 詳細については、 dld.sl(5) および 『『HP-UX リンカー & ライブラリー オンライン ユーザーズガイド』』 を参照してください。

PA-RISC 32 ビット SOM および PA-RISC 64 ビット ELF (フォーマット 1) の chatr に共通のオプション

chatr のデフォルトでは、それぞれの file のマジックナンバーおよびファイル属性を標準出力にプリントします。

-l library 

検索パスのリストが与えられていれば (+s+b を参照) 指定した共有ライブラリが実行時のパス検索の対象になることを示します。

-n  

ファイル をデマンドロード (DEMAND_MAGIC|) からシェアード (SHARE_MAGIC|) に変更します (PA-RISC 64 ビット フォーマット 1 では無視される)。

-q  

ファイル をシェアード (SHARE_MAGIC|) からデマンドロード (DEMAND_MAGIC|) に変更します (PA-RISC 64 ビット フォーマット 1 では無視される)。

-s  

表示を行うことなくその操作を実行します。 (PA-RISC 64 ビット フォーマット 2 コマンドで利用可能です。)

-B mode 

共有ライブラリを使ってプログラムの実行時バインディング動作モードを選択します。主要なバインディングモード immediate または deferred のいずれかを指定しなければなりません。 単一または複数のバインディング修飾子、 nonfatalverbose、 または restricted、 それぞれ別のオプションを使って指定できます。 バインディングモードの説明については、 『『HP-UX リンカー & ライブラリー ユーザーズガイド』』 マニュアルを参照してください。 (PA-RISC 64 ビット フォーマット 2 コマンドで利用可能です。)

+b flag 

プログラムが必要とする共有ライブラリの位置を決めるために、プログラムを作成した時に格納された、埋め込みパスのリストを使うかどうかを制御します。 2 つのフラグ値 enabledisable は、それぞれ埋め込みパスリストの使用を可能または、不可にします。 ただし、 ELF (PA-RISC 64-bit) ファイルに対しては、 disable を使用することはできず、警告メッセージが出力されます。 +s オプションを参照してください。 +b オプションを使用すると、フィルタライブラリの埋め込みパスを使用可能にできます。

+dbg flag 

共有ライブラリのテキストセグメントのマッピングを制御します。 フラグ値 enabledisable は、要求のオン、オフを切り替えます。 オンの場合、共有ライブラリのテキストセグメントをプライベートな書き込み可能な領域にマッピングできます。 When used with +mergeseg の enable と一緒に使用すると、 共有ライブラリのテキストセグメントをマージすることができます。

+es flag 

flag の値 enabledisable によって、スタック上のユーザーコードを実行可能にするかどうかを制御します。 セキュリティ問題については、下記の 「スタック上の実行許可制限」 の項を参照してください。

+gst flag 

シンボルのインポート/エクスポート エントリーを参照するために、シンボルテーブルのハッシュ機構を使用するかどうかを制御します。 2 つのフラグ値 enabledisable は、シンボルテーブルのハッシュ機構を有効または、無効にします。 デフォルトは disable です。

+gstsize size 

グローバルシンボルテーブルのハッシュ機構を用いて、サイズが size のハッシュ配列を要求します。 値は 1〜 MAXINT までの値になります。 デフォルト値は 1103 です。 このオプションは、 +gstenable にして使用してください。

+k flag 

カーネルのサポートによるブランチプレディクションの実行を要求します。 enable および disable の 2 つのフラグは、この要求をオンまたはオフにします。 (PA-RISC 64 ビット フォーマット 2 コマンドで利用可能です。)

+l library 

検索パスのリストが与えられていれば (+s+b を参照)、指定した共有ライブラリが実行時のパス検索の対象にならないことを示します。

+mergeseg flag 

共有ライブラリのセグメントのマージ機能を制御します。 フラグ値 enabledisable は、この要求のオン、オフを切り替えます。 『『HP-UX リンカー & ライブラリー ユーザーズガイド』』 の共有ライブラリのセグメントのマージの説明を参照してください。 このフラグがオンの場合、プログラムの起動時にロードされる共有ライブラリのすべてのデータセグメントがマージされます。 これにより、カーネルがより大きなサイズのページテーブル エントリを使用できることになり、実行時の性能が向上します。

+pd size 

データ用に使用する特定の仮想メモリのページサイズを要求します。 サイズは、 4K16K64K256K1M4M16M64M256M、 および L がサポートされています。 サイズ L を指定すると、最大のページサイズを使用できます。 要求したサイズを使用できない場合、実際に使用できるページサイズが異なることがあります。

+pi size 

命令に使用する特定の仮想メモリのページサイズを要求します。 詳細については、 +pd オプションを参照してください。

+r flag 

このプログラムを実行するときに、静的分岐予測を要求します。 フラグ enable または disable によって、この要求をオン/オフにします。 (PA-RISC 64 ビット フォーマット 2 コマンドで利用可能です。)

+s flag 

SHLIB_PATH 環境変数が指定したディレクトリパスリストが、プログラムによって必要な共有ライブラリの位置を指定するために使われるかどうかを制御します。 2 つのフラグ値 enabledisable は、それぞれ環境変数の使用を可能、または不可にします。 +s+b の両方を使用すると、コマンド行での相対的な順序はどちらのパスリストが最初に検索されるかを指示します。 +b オプションを参照してください。 (PA-RISC 64 ビット フォーマット 2 コマンドで利用可能です。)

+z 

すべてのデータセグメント (PA-RISC 32 ビット chatr または PA-RISC 64 ビット chatr フォーマット 1 を使用) または特定のセグメント (PA-RISC 64 ビット ELF chatr フォーマット 2 を使用) でレイジースワップを有効にします。 データセグメント以外には使用できません。

-z,-Z 

NULL ポインタの実行時逆参照を有効にし、SIGSEGV シグナルを生成します (-Z オプションの逆)。

PA-RISC 32 ビット SOM の chatr 専用のオプション

.TP 

-M ファイルEXEC_MAGIC から SHMEM_MAGIC に変更します。 (このオプションは、真の 64 ビットカーネルで 64 ビットアドレスが使用可能になるまでの回避策です。 下記の「chatr とマジックナンバー」および「SHMEM_MAGIC の使用」の項を参照してください。)

-N  

ファイルSHMEM_MAGIC から EXEC_MAGIC に変更します。 (このオプションは、真の 64 ビットカーネルで 64 ビットアドレスが使用可能になるまでの回避策です。 下記の「chatr とマジックナンバー」の項および注記を参照してください。)

+gstbuckets size 

グローバルシンボルテーブルのハッシュ機構を用いて、エントリーごとに特定数のバケットを要求します。 値は 1 〜 MAXINT までの範囲で指定できます。 デフォルト値は 3 です。 このオプションは、 +gstenable にして使用してください。

+plabel_cache flag
  

plabel キャッシング機構の使用を制御します。 フラグ enabledisable は、この要求をそれぞれオン/オフにします。 デフォルトは disable です。 このオプションは、 +gstenable にして使用してください。

このオプションは、C++ で効果があります。 C++ アプリケーションでは、ダイナミックローダが PLABEL 情報 (インポートスタブ) に繰り返しアクセスする必要があります。 このアクセスを高速にするために、ダイナミックローダはグローバルシンボルテーブル構造体に PLABEL エントリーも含めるようにします。 この動作は、dl_header 構造体の PLABEL_CACHE フラグを設定すると有効になります (ld +plabel_cache enable a.out または chatr +plabel_cache enable a.out で有効になります)。

+q3p flag 

32 ビットプロセスが第 3 象限をデータスペースとして使用する方法を指示するフラグビットの設定を制御します。

enable フラグは、32 ビットプロセスが第 3 象限をプライベートデータ スペースとして使用するようにフラグビットを設定します。 このビットを設定すると、32 ビットプロセスのプライベートデータ スペースは 1.9 GB から 2.85 GB に増えます。

disable フラグはこのビットの設定を解除し、第 3 象限をデフォルトの状態 (共有メモリとして使用される) に戻します。

このフラグ機構は、第 1 象限および第 2 象限の使い方の設定方法とは異なります。 これらの値は、実行可能ファイルのマジックナンバーを使用して設定します。 (-M オプションおよび -N オプションを参照。)

+q4p flag 

32 ビットプロセスが第 3 象限および第 4 象限をデータスペースとして使用する方法を指示するフラグビットの設定を制御します。

enable フラグは、32 ビットプロセスが第 4 象限をプライベートデータ スペースとして使用するようにフラグビットを設定します。 +q4p フラグビットを設定すると、32 ビットプロセス用のプライベートデータ スペースは 1.9 GB から 3.8 GB に増えます。 第 4 象限をプライベートデータ スペースとして設定すると、第 3 象限も自動的にプライベートデータ スペースとして使用されるように設定され、 +q3p 値は無視されます。

disable フラグはこのビットの設定を解除し、第 4 象限をデフォルトの状態 (共有メモリとして使用される) に戻します。 +q4pdisable の場合は、 +q3p フラグの値によって、第 3 象限がプライベートデータ スペースと共有メモリのどちらとして使用されるかが決まります。

このフラグ機構は、第 1 象限および第 2 象限の使い方の設定方法とは異なります。 これらの値は、実行可能ファイルのマジックナンバーを使用して設定します。 (-M オプションおよび -N オプションを参照。)

PA-RISC 64 ビット ELF の chatr のオプション

PA-RISC 64 ビット ELF の chatr は SOM の chatr に似ていますが、新しいオプションをサポートしています (他のオプションは廃止されました)。

新しいオプション:

PA-RISC 64ビット ELF の chatr (フォーマット 1) のオプション

+cd 

ファイルのデータセグメントに対してコードビットを設定します。

+ci 

ファイルのテキストセグメントに対してコードビットを設定します。

+md 

ファイルのデータセグメントに対して変更ビットを設定します。

+mi 

ファイルのテキストセグメントに対して変更ビットを設定します。

PA-RISC 64ビット ELF の chatr (フォーマット 2) のオプション

共通のオプション、 -s-B mode+k flag+r flag+s flag+z flag と共に、次のオプションを使用できます。

+c 

指定したセグメントに対してコードビットを設定します。

+dz 

動的に割り当てられたセグメント (スタックやヒープなど) に対し、レイジースワップ割り当てを有効、または無効にします。

+m 

指定したセグメントに対して変更ビットを設定します。

+p 

指定したセグメントに対してページサイズを設定します。

+sa 

アドレスを使用して 1 組の属性変更のセグメントを指定します。

+sall 

ファイル内のすべてのセグメントに対して 1 組の属性変更を行います。

+si 

セグメントインデックス番号で 1 組の属性変更のセグメントを指定します。

chatr とマジックナンバー

シェアード という用語はマジックナンバー SHARE_MAGIC に適用され、 デマンドロード という用語はマジックナンバー DEMAND_MAGIC に適用されます。 詳細については、 magic(4) および 『『HP-UX リンカー & ライブラリー オンライン ユーザーズガイド』』 を参照してください。

chatr は、出力で、実行可能プログラムを次のようなタイプに分類します。

SHARE_MAGIC: 

シェアードの実行可能プログラム

DEMAND_MAGIC: 

デマンドロードの実行可能プログラム

EXEC_MAGIC: 

通常の実行可能プログラム

SHMEM_MAGIC: 

通常の SHMEM_MAGIC 実行可能プログラム

リンカは、デフォルトで SHARE_MAGIC 実行可能プログラムを生成します。

SHMEM_MAGIC の使用

SHMEM_MAGIC は、真の 64 ビットカーネルで 64 ビットアドレスが使用可能になるまでの回避策です。

SHMEM_MAGIC は、将来 HP が 64 ビットアーキテクチャ (PA-RISC 2.0 以降) を実現したときには、サポートされなくなります。 これらのアーキテクチャで 1.75 GB より大きな共有メモリを必要とするプログラムを実行する場合は、アーキテクチャに合わせて (64 ビットの実行可能プログラムとして) プログラムをコンパイルし直す必要があります。

64 ビットアーキテクチャ (PA-RISC 2.0 を含む) のすべての HP の実装で 64 ビットの実行可能プログラムとしてコンパイルし直したプログラムは、 SHMEM_MAGIC としてマークすることはできません。 また、その時点では 1.75 GB より大きな共有メモリにアクセスできるようになっているので、マークする必要はありません。

その他のタイプの実行可能プログラムで使用可能な 1 GB の共有メモリを追加する場合、System V で使用可能な形態でのみ追加できます。 それ以外の形態 (メモリマップファイルなど) で共有メモリを追加することはできません。

スタック上の実行許可制限

システムに侵入するためによく (または一般に) 用いられる方法は、プログラムのスタック上のバッファを故意にオーバフローさせる方法です。 例えば、非常に長く、注意して選んだコマンド行引き数を、それを予期していない特権プログラムに渡します。 悪意を持った非特権ユーザーは、この方法で特権プログラムをだまし、スーパーユーザーのシェルを開始させるか、同じような許可されていない動作を実行させることができます。

この種の攻撃を受けるリスクを低くするには、プログラムのスタックページから実行パーミッションを削除することが、単純ですが効果的な方法です。 これにより、性能を犠牲にせずにシステムのセキュリティが高まり、大部分の正当なアプリケーションに悪い影響も与えません。 この項で述べた変更の影響を受けるのは、プログラムのスタック上にある命令を実行しようとする (あるいはだまされて実行する) ごく一部のプログラムにすぎません。

この項で述べたスタックの保護機能がプログラムに対して有効になっており、そのプログラムがスタックからコードを実行しようとした場合、HP-UX のカーネルは、 SIGKILL シグナルでプログラムを終了させ、このマンページの項を参照するメッセージを表示し、エラーメッセージをシステムメッセージ ログに記録します (エラーメッセージの表示には、 dmesg を使用します)。 カーネルが記録するメッセージは、次のようなものです。

  • WARNING: UID # may have attempted a buffer overflow attack. PID # (program_name) has been terminated. See the '+es enable' option of chatr(1).

このようなメッセージが表示された場合は、プログラムの所有者を調べて、このプログラムが正当にスタックからコードを実行しているかどうかを確認します。 正当であれば、以下に述べる方法のどちらか、または両方を用いてプログラムを再度機能させることができます。 プログラムが正当にスタックからコードを実行していない場合は、悪意を持った行為ではないかと疑って、適切に対処してください。

HP-UX には、プログラムのスタックからの実行を許可する方法が 2 つあります。 これらの方法を組み合わせると、セキュリティと互換性に関して、サイトに独自のトレードオフを設定できます。

1 番目の方法は、 chatr+es オプションを使用する方法で、個別のプログラムに作用します。 一般にこの方法は、システムのデフォルト設定にかかわらず、特定のバイナリをスタックから実行しなければならないことを指定するために使用します。 これにより、システムのデフォルトでは制限し、正当なプログラムがスタックからコードを実行することを妨げないようにできます。 このオプションは、(必要があれば) プログラムのプロバイダが設定し、プログラムをインストールする際に手動で行わなければならない操作を最小限に抑えるようにしてください。

もう 1 つの方法は、カーネルの調整可能パラメータ executable_stack を設定して、スタックを実行可能にするかどうかに関するシステム全体のデフォルトを設定する方法です。 executable_stack パラメータを sam sam(1M) を参照) で 1 に設定すると、 HP-UX カーネルに対して、保護されたプログラムスタックを実行しないように指示します。 旧リリースとの互換性の方がセキュリティより重要な場合は、この設定にしてください。 互換性よりセキュリティを重視したい場合は、パラメータを 0(ゼロ) に設定することをお勧めします。 この設定では、システムのセキュリティが大幅に向上し、かつ正当なアプリケーションに悪影響を与えません。

これらの設定を組み合わせることで、多くのアプリケーションに適した設定にすることができます。 例えば、 executable_stack を 0 に設定した後、1 つか 2 つの重要なアプリケーションが、スタックからの実行を行っているために、実行できなくなっていたとします。 このようなプログラムの例には、シミュレータやインタプリタのように、自身のコードを変更するものがあります。 これらの特殊なアプリケーションを正常に動作させつつ、 システムのデフォルトを制限された状態にしてセキュリティを確保するには、 executable_stack を 0 に設定して、スタックから実行する必要のある特定のバイナリに対して chatr +es enable を実行します。 これらのバイナリは、実行したときにこのマンページを参照するエラーメッセージを出力するので、簡単に識別できます。

executable_stack の設定可能な値は、次のとおりです。

executable_stack = 0 (デフォルト)
  

0 (デフォルト値) に設定すると、スタックは実行不能になります。 セキュリティの観点からは強くお勧めします。

executable_stack = 1
  

1 に設定すると、すべてのプログラムスタックが実行可能になります。 このパラメータでは、互換性の観点からは最も安全ですが、セキュリティ上は最も危険です。

executable_stack = 2
  

2 に設定すると、0 の場合と同じ動作になりますが、スタックから実行しようとしたプロセスを終了させずに、致命的でない警告を発するようになる点が異なります。 この設定は、値を 0 にしても正当なアプリケーションに影響を与えないことを確認する場合に便利です。 これも、セキュリティ上の保護は弱くなります。

下の表は、 プログラムのスタックから実行する場合の、 chatr +esexecutable_stack の可能な組み合わせとその結果をまとめたものです。 スタックの実行許可を与えるかどうかを決定する場合、 chatr +es disable を実行した結果は、カーネルの調整可能パラメータ executable_stack の設定に依存し、バイナリに対して chatr +es を実行していない場合と同じになります。

chatr +esexecutable_stack動作
enable1プログラムは正常に動作する
disable または chatr を1プログラムは正常に動作する
実行していない  
enable0プログラムは正常に動作する
disable または chatr を0プログラムは抹消 (kill)
実行していない される
enable2プログラムは正常に動作する
disable または chatr を2プログラムは正常に動作し
実行していない 警告が表示される

戻り値

chatr は、正常終了時にはゼロを返します。 コマンド行の内容が構文的に誤っている場合、または指定されたファイルのひとつ以上を処理できない場合、chatr は属性を修正できなかったファイルについての情報を返します。 ファイルを指定しなければ、 chatr は 10 進数の 255 を返します。

不正なオプション

PA-RISC 32 ビットの chatr では、不正なオプションを指定すると、 chatr はコマンド行のワード数を返します。 例を次に示します。

  • chatr +b enable +xyz enable は 5 を返します (不正なオプション +xyz があるため)。

  • chatr +b enable +xyz enable +mno file1 file2 は、8 を返します。

PA-RISC 64 ビットの chatr では、不正なオプションを指定すると、 chatr は、最初の不正なオプションの後にある 非オプションワード の数を返します。

  • chatr +b enable +xyz enable +mno enable +pqr enable file は 4 を返します。

不正な引き数

正しいオプションに不正な引き数を指定した場合、ファイル名を指定していなければ、PA-RISC 32 ビット および PA-RISC 64 ビットのどちらの chatr も、0 を返します。

  • chatr +b <no argument> は、0 を返します。

PA-RISC 32 ビットの chatr では、ファイル名を指定すると (ファイルが存在するかどうかにかかわらず)、 chatr はコマンド行内のワード数を返します。

  • chatr +b <no argument> file は、4 を返します。

PA-RISC 64 ビット の chatr では、ファイル名を指定すると (ファイルが存在するかどうかにかかわらず)、 chatr は指定されたファイルの数を返します。

  • chatr +b <no argument> file1 file2 file3 は、3 を返します。

不正なファイル

PA-RISC 32 ビットおよび PA-RISC 64 ビットのどちらの chatr も、指定されたファイルのいずれかで処理できなければ、オプションが指定されている場合、指定されたファイルの総数を返します。 オプションが指定されていない場合は、処理できなかったファイルの数を返します。

  • chatr +b enable a1 a2 a3 a4 (a2 には読み取り/書き込みパーミッションがない) は、4 を返します。

  • chatr a1 a2 a3 a4 は、1 を返します。

多言語化対応

環境変数

chatr の実行には、次の多言語化対応変数が影響を与えます。

LANG 

LC_ALL、 その他の LC_* 環境変数が指定されていない場合に、 母国語、ローカルな習慣、およびコーディング文字セットの ロケールカテゴリを決めます。 LANG が指定されていない場合、または空の文字列に設定されている場合は、 LANG の代わりに デフォルトとして C lang(5) を参照) が使用されます。

LC_ALL 

すべてのロケールカテゴリに対する値を決めます。これは、 LANG や、その他の LC_* 環境変数より優先して使用されます。

LC_CTYPE 

文字処理関数に対するロケールカテゴリを指定します。

LC_MESSAGES 

標準エラーに書き込む診断メッセージのフォーマットと内容を決めるロケールを指定します。

LC_NUMERIC 

数値フォーマットに対するロケールカテゴリを指定します。

NLSPATH 

LC_MESSAGES の処理に使用するメッセージカタログの位置を決めます。

多言語化対応変数が不当な値に設定されていると、 chatr は、多言語化対応変数がすべて C に設定されているものとして動作します。 environ(5) を参照してください。

これ以外に、次の環境変数が chatr に影響を与えます。

TMPDIR 

一時ファイルのディレクトリを指定します tmpnam(3S) 参照)。

a.out をデマンドロードに変更します。

chatr -q a.out 

共有ライブラリを使用するプログラムファイルのバインディングモードを即時、非致命的に変更します。 また、 SHLIB_PATH 環境変数の使用を可能にします。

chatr -B immediate -B nonfatal +s enable a.out 

共有ライブラリ libfoo.sl が依存する /usr/lib/libc.sl の実行時のパス検索を禁止します。

chatr +l /lib/libc.sl libfoo.sl 

直前の chatr の実行でセグメントインデックス番号 5 が指定されている場合、ページサイズを 4 キロバイトに変更します。

chatr +si 5 +p 4K average64 

著者

chatr は HP で開発されました。

参照

システムツール:

ld(1) 

リンクエディタを起動します。

その他:

a.out(4) 

アセンブラ、コンパイラ、リンカの出力

magic(4) 

HP-UX 用のマジックナンバー

sam(1M) 

システム管理マネージャ

executable_stack(5)
  

プログラムスタックがデフォルトで実行可能かどうかを制御

テキストとチュートリアル:

『HP-UX リンカー & ライブラリー オンライン ユーザーズガイド』
  

(+help オプションを参照)

『HP-UX リンカー & ライブラリー ユーザーズガイド』
  

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