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HP-UX リファレンス: セクション 1 : ユーザーコマンド (A~M) > k

keysh(1)

HP-UX 11i Version 2: September 2004
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名称

keysh ― コンテキスト認識型のソフトキーシェル

構文

keysh

説明

keysh は、標準のコーンシェルを拡張したものです。通常のコーンシェルの機能については、 ksh(1) を参照してください。

keysh ではコーンシェルの機能とメニューシステムの使いやすさを組み合わせた 階層形式のソフトキーメニューとコンテキスト認識型のヘルプが提供されるので、 ユーザーはこれを利用してコマンド行を作成することができます。

また、 keysh は完全なデータ駆動型として動作するので、 必要に応じてメニューやヘルプを拡張することができます。

keysh を呼び出す場合は、環境変数 $TERM により terminfo(4) データベースの定義に従ってターミナルタイプが指定されていなければなりません (下記の 「環境変数」 参照)。

コマンド入力

keysh ではコマンド行の構文解析を逐次行うので、 ソフトキーのラベルには適宜、状況に応じた 選択項目 が表示されることになります。

ユーザーは、これらのソフトキーを選択して、判読できる ソフトキーコマンド をコマンド行として作成できます。 keysh ではソフトキーのコマンドを自動的に HP-UX の対応するコマンド に置き換えて、これを実行します。

また、ソフトキーをすべて無視して、通常のコーンシェルの場合と同じように、 HP-UX コマンドを直接入力することもできます。

コマンドの入力中は通常、 keysh により画面の下の部分に状態行が表示されます。 この 状態行 には、ホスト名、現在のディレクトリ、日時の情報が示されます。

keysh では、現在選択されたソフトキーの実行を完了する前に、ユーザーによる特定の入力操作が必要になった場合は、状態行の位置に、一時的に プロンプトメッセージ を表示します。このメッセージには、ユーザーが行うべき操作について簡単な説明が示されます。

ソフトキーの型

keysh では、次の 4 種類の基本ソフトキーが表示されます。

--Help--  

--Help-- ソフトキーを選択すると、 keysh は次に押されたソフトキーの内容を実行するのではなくそのキーに関するヘルプ情報を表示します。

--More--  

ソフトキーの数より現在選択できる項目数が多い場合、 keysh はこれをいくつかのバンクに分割して、まず最初のバンクに --More-- というソフトキーを付加して表示します。 --More-- ソフトキーを選択すると、次のバンクのソフトキーが順次表示されます。 この操作を続けると、バンクが一巡して最初のバンクに戻ります。

<param> 

パラメータ ソフトキーは、一組の角かっこ <> で囲んだ形式で表示されます。パラメータ ソフトキーは、その時点でソフトキーを選択するのでなく、ユーザー指定のテキスト (ファイル名など) をコマンド行に入力しなければならないという意味です。この時点で、ソフトキーを選択しても、 keysh は単に状態行にヒントメッセージを表示するだけで、コマンド行は変更されずにそのまま残ります。

option  

上記以外はすべて オプション のソフトキーです。これを使用して、対応するコマンド名またはオプション名をコマンド行に挿入することができます。

各ソフトキーは、左から右の順に選択することができます。

コマンド行の編集

keysh は、通常のコーンシェルのコマンド行編集モードをサポートしています。また keysh は、 terminfo(4) データベースの定義に基づいて、大部分のターミナルで行われるカーソル移動、および編集キーの操作を認識します。次の編集キーを認識できます。

<Clear display> 

画面とコマンド行をクリアします。画面の内容がスクロールされる場合は、カーソルの位置からスクロールメモリの終りまでをクリアします。

<Clear line> 

カーソル位置からコマンド行の最後までをクリアします。

<Delete line> 

コマンド行全体をクリアします。

<Insert line> 

現在のコマンド行にあるソフトキーコマンドをすべて変換して、その結果を編集します。

<Delete char> 

カーソルの位置にある文字を削除します。

<Insert char> 

挿入モードと上書きモードを切り換えます。

<Up/Down arrow> 

ヒストリバッファから、前のコマンド/次のコマンドを呼び出します。

<Left/Right arrow>
  

カーソルを左/右に移動します。

<Home up/down> 

カーソルをコマンド行の先頭/最後に移動します。

<Tab> 

<Insert line> キーがなければ、<Insert line> の機能 (上記参照) を実行します。 <Insert line> キーがある場合で、 --Help-- ソフトキーがなければ、 --Help-- の機能 (上記参照) を実行します。これ以外の場合は、通常のタブ機能を実行します。

<Backtab> 

カーソルを直前のワードの先頭に移動します。

<Ctrl-L> 

画面の下の部分を表示しなおし、必要なターミナルモードを復元します。

ソフトキー表示コマンド

visibles の設定オプションを使用可能にすると (下記の 設定 の項参照)、 keysh は別のコマンドの入力が必要になった時点で、 必ずソフトキーラベルに設定したソフトキーコマンドのリストを表示します。 これはトップレベルのソフトキーメニューです。

ソフトキーコマンドのいずれかを選択すると、 keysh によりそのコマンド名がコマンド行に挿入され、次にこのコマンドで使用できる主なパラメータとオプションを示すサブメニューが表示されます。

この時点で、オプションのソフトキーを (左から右の順に) 選択しても、またパラメータ ソフトキーの位置にテキストを入力してもかまいません。 keysh は自動的に階層構造のソフトキーメニューを進みます。 このとき、ソフトキーラベルには必ず、現在選択できる一連の項目が表示されます。

なお、 keysh はコマンドセパレータ (パイプ記号やセミコロンなど) を検出すると、 自動的にトップレベルのソフトキーメニューを表示します。 これにより、コマンド行に示すセパレータ以降のコマンドも同様に、 ソフトキーとして使用できるようになります。

ソフトキー非表示コマンド

invisibles の設定オプションを使用可能にすると (下記の 設定 の項参照)、 keysh は通常の HP-UX コマンドの入力を認識した時点でソフトキーラベルに現在選択できる項目を表示して、 ソフトキーを使用できる機会を一度だけ与えます。 トップレベルのソフトキーメニューオプションと同様に、 ソフトキーを無視して通常の HP-UX オプションを直接入力することができます。

バックアップ ソフトキー

backups の設定オプションを使用可能にすると (下記の 設定 の項参照)、 keysh はほかに表示するソフトキーがない場合 (コマンドが実行中の場合など) は必ず、 バックアップ ソフトキー を表示して、ターミナルの該当するファンクションキーに対応させます。 バックアップ ソフトキーにより、 一般によく見られる静的なソフトキーの制御が可能になります。

通常の HP-UX コマンド

keysh がトップレベルのソフトキーメニューを表示しているときに、 通常の HP-UX コマンドを入力すると、 keysh は単にバックアップ ソフトキーを表示するだけなので、 ユーザーはそのまま処理を続けることができます。

keysh では、これ以降、コマンドセパレータを検出すると、 トップレベルのソフトキーメニューを再表示します。

ソフトキーコマンドの構文エラー

ソフトキーコマンドの多くは、一連のソフトキーオプションを表示します。 ユーザーはその中から必ず 1 つを (少なくとも 1 つ) 選択 しなければなりません。 オプションの選択を行わないと、 keysh はこれを構文エラーとみなして、エラーメッセージを表示します。 そのコマンドは、エラーを修正しない限り、受け付けられません。

同様に、多くのソフトキーコマンドで、1 つ以上のソフトキーパラメータが必要とされます。パラメータの入力を行わないと、 keysh はこれを構文エラーとみなします。

ソフトキーコマンドのリダイレクション

ソフトキーコマンドの後に、リダイレクション記号 (角かっこ < または > の後にファイル名を続けた指定) を付けることができます。 これらの記号は、対応する HP-UX コマンドに変換された後にも、 そのままの形式で 付加されます。

ターミナルセッションマネージャ上での keysh の使用法

keysh をターミナルセッションマネージャ tsm(1)参照) のもとで使用すると、バックアップ ソフトキーの代わりに、 tsm ソフトキーが表示されます。この操作モードは、環境変数 $KEYTSM をセットすることにより、変更できます (下記の 環境変数 参照)。

また、 keyshtsm と併用すると、状態行に tsm ウィンドウ番号が自動的に表示されます。

設定

keysh の設定機能には、トップレベルの Keysh_config ソフトキーコマンドまたは内蔵コマンド kc によりアクセスすることができます。設定の主な機能は、次のとおりです。

  • ソフトキーの追加、配置、および削除

  • バックアップ ソフトキーの指定

  • グローバルオプションの選択

  • 状態行の項目の選択

  • keysh の再起動

  • 設定の変更内容の書き込み

  • その他の設定の変更取り消し

keysh の設定を変更するたびに、 keysh によりユーザーの $HOME/.keyshrc ファイルが自動的に更新されます。これ以降に keysh を呼び出すと、既存の設定に基づいて、 keysh 自身の設定が変更されます。

ソフトキーの追加, 配置, 削除

標準ソフトキー (下記の 標準ソフトキーの定義 参照) はいずれも、 kc softkey add コマンドを使用して、トップレベルのソフトキーメニューに追加することができます。また、必要に応じて、 with_label オプションを使用することにより、ソフトキーラベルに別の名称 (一般には、わかりにくい HP-UX コマンドの代わりに) を割り当てることもできます。

デフォルトでは、追加されたソフトキーは、トップレベルのソフトキーメニューの最後に示す --More-- バンクの最後に置かれます。この位置は、 kc softkey add コマンドの and_place オプションまたは kc softkey move コマンドによって、変更することもできます。

from_user または from_file のオプションを使用して、標準ソフトキー以外に、 カスタム ソフトキーファイルから特殊なソフトキーを追加することができます。 ソフトキーファイルのフォーマットについては、 softkeys(4) を参照してください。

特定のソフトキーファイルからソフトキーを追加すると、必ず残りのソフトキーもすべて自動的にロードされ、表示不可能のソフトキーコマンドとして提供されます。また、ファイル中のソフトキーはすべて、 kc softky add invisibles コマンドにより、表示不可能のソフトキーコマンドとしてロードすることができます。

トップレベルのソフトキーメニューで表示されるソフトキーは、 kc softkey delete コマンドにより削除することができます。

バックアップ ソフトキーの指定

バックアップ ソフトキーは、通常、ユーザーの $HOME/.softkeys ファイルに指定します。基本的なバックアップ ソフトキーを定義する行の形式は、次のとおりです。

  • backup softkey " <softkey> " literal " <string> ";

ここで、 <softkey> は表示されるソフトキーラベル、 <string> はターミナルのファンクションキーを対応させるテキスト文字列をそれぞれ表します。バックアップ ソフトキーは、計 8 個まで指定することができます。

バックアップ ソフトキーは、 keysh がそれをプログラムで対応させる前に kc softkey add backups コマンドによって明示的に追加しておかなければなりません。

グローバルオプションの選択

各グローバルオプションは kc option コマンドによって、設定することができます。 次のグローバルオプションがあります。

backups  

バックアップ ソフトキーのプログラム設定を 使用可能/使用不能を切り換えます。

help  

--Help-- ソフトキーの使用可能/使用不能を切り換えます。

invisibles  

表示不可能のソフトキーコマンドを認識させるかどうかを切り換えます。

prompts  

プロンプトメッセージを自動的に作成するかどうかを切り換えます。 使用可能にすると、 keysh は、現在選択されたソフトキーの実行を完了する際に、ユーザーによる特定の入力操作が 必要になった 場合は必ず、一時的にプロンプトメッセージを表示します。このメッセージは、ユーザーが行うべき操作について簡単に説明するものです。

selectors  

キーボードセレクタの使用について使用可能/使用不能を切り換えます。使用可能にすると、 keysh は各ソフトキーのラベルに大文字のセレクタ文字を表示します。 セレクタ大文字をコーテーションなしでタイプすると、各文字に対応するファンクションキーを押した場合と同じように、ソフトキーが選択されます。 セレクタ文字をコーテーションで囲んでタイプすると、その文字の本来の意味になります。 セレクタキーは、ソフトキーの数が十分にサポートされていないターミナルで使用することを目的とするものです。

translations  

HP-UX コマンドの変換に関する表示の使用可能/使用不能を 切り換えます。

visibles  

表示可能のソフトキーコマンドの表示と確認について使用可能/使用不能を切り換えます。

状態行の項目の選択

画面の下方に表示する状態行には、 kc status_line コマンドによってさまざまな項目を設定することができます。 次の項目を設定できます。

host_name  

ホスト名

user_name  

ユーザー名

current_dir  

現在のディレクトリ

mail_status  

環境変数 $MAIL に基づくメールステータス (No mailYou have mail、 または You have new mail)。

date  

日付

time  

時間

このほか、状態行の先頭には、環境変数 $KEYSH (セットされている場合) が必ず表示されます。

keysh の再開

kc restart コマンドを実行すると、 keysh$HOME/.keyshrc ファイルを再度読み取ります。このコマンドは通常、 keysh を別のウィンドウで指定した別の設定に更新する際に使用します。

また、 kc restart default コマンドを使用すると、 keysh$HOME/.keyshrc ファイルを強制的に削除して、デフォルトの設定から再起動されます。

設定変更の書き込み

kc write コマンドにより、 keysh$HOME/.keyshrc ファイルの再度書き込みます。

その他の設定変更の取り消し

kc undo コマンドを使用することにより、 keysh$HOME/.keyshrc ファイルをもとの内容で書き直す (すなわち、 keysh を呼び出して以降、加えられた変更内容をすべて取り消す) ことができます。

keysh 機能の制限

keysh の機能は、ユーザー個人の希望に応じて、 その適用範囲を自由に設定することができます。

通常の HP-UX コマンド名 (コマンドオプションは必ずしも含みません) を 使い慣れたユーザー、あるいは tsm ソフトキーを表示しておきたいユーザーは、 kc options visibles off コマンドにより、 keysh がコマンドの入力待ちの間に、トップレベルのソフトキーメニューの表示を抑制することができます。この場合、 keysh は必要に応じて、バックアップ ソフトキーまたは tsm ソフトキーを適宜表示します ($HOME/.keyshrc ファイルを編集して、表示可能のソフトキーを記述した行を削除すれば、 keysh の起動時間が大幅に短縮されます)。

さらに、HP-UX コマンドのオプションにも慣れているユーザーの場合は、 kc options invisibles off コマンドによって、表示不可能のソフトキーコマンドも抑制させることができます。

また、バックアップ ソフトキーが不要のユーザーについては、 kc options backups off コマンドにより、バックアップ ソフトキーのプログラミングを抑制させることができます。

なお、 visiblesk, invisibles, および backups がすべてオフになっていると、 keysh はソフトキーの処理を まったく 行わなくなります。この場合、 keysh はコーンシェルに置き換わって、状態行を表示したり、カーソルの移動や編集キーの操作を認識するようになります。

トップレベルのソフトキーメニューの最後に od od(1) を参照) というソフトキーを追加して、 Octal_dump というラベルを付けます。

kc softkey add od with_label Octal_dump 

トップレベルのソフトキーメニューの最初に paste(1) というソフトキーを追加して、 Paste というラベルを付けます。

kc softkey add paste and_place as_first_softkey 

トップレベルのソフトキーメニューにある ls(1) ソフトキーの直前に、 ~rpt/.softkeys ファイルの emacs というカスタム ソフトキーを追加します。

kc softkey add emacs from_user rpt and_place before_softkey ls 

表示不可能のソフトキーをすべて、 ~rpt/.softkeys ファイルから追加します。

kc softkey add invisibles from_user rpt 

$HOME/.softkeys ファイルからバックアップ ソフトキーを追加します。

kc softkey add backups 

トップレベルのソフトキーメニューから Edit_file ソフトキーを削除します。

kc softkey delete Edit_file 

--Help-- ソフトキーを使用不能に設定します。

kc options help off 

状態行にユーザー名を設定します。

kc status_line user_name on 

状態行に、最後に実行したコマンドの終了値を設定します。

  • KEYSH="\\${?#0}"

現在のディレクトリにある大きい方から 10 個のファイルをリストします。

  • ls long_format | Sort_lines numerically reverse_order starting_at_field 5 | head

標準ソフトキーの定義

Copy_files, Move_files, Print_files, Set_file_attribs, Switch

adjust, ar, bdf, cal, cancel, cat, cd, cdb, chatr, chgrp, chmod, chown, cmp, col, comm, cpio, cut, dd, df, diff, dircmp, disable, du, elm, enable, exit, find, fold, grep, head, jobs, kill, lp, lpstat, ls, mailx, make, man, mkdir, more, nm, nroff, od, paste, pg, pr, ps, remsh, rlogin, rm, rmdir, sdiff, set, shar, sort, tail, tar, tee, touch, tr, umask, uname, vi, wc, who, write, xd, xdb

環境変数

TERM  

terminfo(4) データベースの定義に基づいて、ターミナルタイプを指定します。この変数は、 keysh 呼び出しの環境変数の一部として指定されているか、または標準コーンシェルの起動ファイルの 1 つにセットされていなければなりません。

COLUMNS  

ターミナル画面のカラム数を指定 terminfo(4) のデフォルトと異なる場合) します。

LINES  

ターミナル画面の行数を指定 terminfo(4) のデフォルトと異なる場合) します。

PAGER  

ヘルプ表示の際に使用したいページプログラムを指定します。デフォルトは、 more more(1) を参照) です。

TZ  

状態行の日付と時間の表示に使用する時間帯を指定します。デフォルトは、 en_US.roman8 です。

KEYBEL  

keysh がベルを鳴らす際にターミナルに送る文字列を指定します。デフォルトは、 ^G. です。

KEYENV  

代替の keysh 設定ファイルを指定します。デフォルトは、 $HOME/.keyshrc です。

KEYESC  

一連の文字入力をターミナルのエスケープシーケンスの一部として認識させる場合に、各文字の入力間隔として設定する最大値 (ミリ秒単位) を指定します。 デフォルトは、350 ミリ秒です。

KEYKSH  

この変数をセットすると、 keysh は可能な限り、コーンシェルの仕様と同じように動作します。 ソフトキー、状態行のいずれも表示されません。 このモードは、低速モデム回線使用時に利用できます。

KEYLOC  

この変数をセットすると、コマンドの入力中はターミナルのキーパッドが ローカルモードに設定されます。 これは、コーンシェルの仕様を踏襲した動作です。

KEYPS1  

この変数をセットすると、 $PS1, $PS2, および $PS3 は初期値にリセットされなくなります。なお、 $PS1 は、定数文字列でなければなりません (これは、 keysh がその文字列を認識して、以降のソフトキー操作を支援できるようにするためです)。

KEYSH  

keysh の状態行に任意のテキストが入られるようにします。

KEYSIM  

この変数をセットすると、 keysh は HP ターミナルの内蔵ラベルを無視して、ソフトキーのラベルをシミュレートするようになります。

KEYTSM  

この変数をセットすると、 tsm の動作中に keyshtsm ソフトキーを使用しなくなります。この場合、 tsm ホットキー, バックアップキー,または Switch ソフトキーコマンド (上記の標準ソフトキーの定義参照) のいずれかを使用して、 tsm ウィンドウを切り換えることができます。

KSH との相違点

keyshksh(1) の拡張バージョンですが、 ksh(1) とは次の点で異なります。

画面の更新

keysh 表示出力の内容を効率的に活用することにより、ターミナルで使用可能な機能を有効利用します。コーンシェルでは、コマンド行の大半を表示しなおす場合がよくあります。これとは異なり keysh では該当する部分だけを対象に文字の追加や削除を行うことができます。

この機能により、特に環境変数 $KEYKSH をセットしている場合など、低速モデムの回線を使用する際に、 処理速度を大幅に向上させることができます (上記の 環境変数 参照)。

emacs モードの編集

新しいコマンド、 <ESC>v は、vi モードの v コマンドの機能を実行するものです。

最初の ^N コマンドでは、前に実行されたコマンドを伴ったヒストリ行が呼び出されます。 これにより、一連のヒストリコマンドを簡単に繰り返すことができます。

gmacs の編集モードはサポートされていません。 emacs の編集モードは、 GNU emacs (18.54) の ^T の定義に準拠しています。

^@ および <ESC> n ^K のコマンドは、サポートされていません。

M-<letter> および M-]<letter> のエイリアス機能 (真のソフトキー支援機能としては) はサポートされていません。

vi モードの編集

新しいコマンド o は、emacs モードの ^O コマンドの機能を実行します。

最初の j コマンドでは、前に実行されたコマンドを伴ったヒストリ行が呼び出されます。 これにより、一連のヒストリコマンドを簡単に繰り返すことができます。

| コマンドはサポートされていません。

@<letter> のエイリアス機能 (真のソフトキー支援機能としては) は サポートされていません。

u コマンドは、emacs 形式のネスト化した取り消しを実行します。また、 u<space> は、通常の vi 形式の取り消しを実行します。

警告

keysh では、環境変数 $TERM$HOME/.profile ファイルに正しくセットされていなければなりません。 また、標準サイズ以外のターミナルで keysh を実行する場合は、 $LINES$COLUMNS の環境変数も必須になります。これらの環境変数がセットされていない場合は、エラーメッセージが出力されるか、または画面の内容が正しく表示されなくなります。

keysh では、オプション ソフトキーは左から右の順に選択しなければなりません。 コマンド行で編集する場合は、カーソルを前に戻して、ソフトキーの順序を入れ換えることができますが、これはコマンドエラーになります。

keysh$PS1, $PS2, および $PS3 を初期化して、タイプを 読み取り専用 に設定します (これを変更することはできません)。 これ以外のステータス情報を表示させる場合は、 $KEYSH を使用します。

keysh は通常、自動的に $HOME/.keyshrc ファイルを保守します。ただし、起動時エラーが発生したり、またこれが定常的に起きることがあります。この場合は、 kc restart default コマンド (ファイルを削除して、デフォルトの設定に戻る)、あるいは kc write コマンド (ファイルを現在の設定で更新する) のいずれかを実行してください。

keysh では、HP-UX コマンドのエイリアスを多用しないようにする必要があります。エイリアスが多く設定しすぎると、コマンドの変換で予想外の結果が出ることがあります。

keysh はコマンド行で使用したパラメータ数を予測する場合に、 コーンシェルの拡張機構の効果は考慮していないので、 実際に指定した実際のパラメータ数より少なく見積ることがあります。 emacs モードまたは vi モードの編集コマンド <ESC>* を使用して、これらのパラメータを事前に拡張しておくことができます。

なお、emacs モードの編集コマンド <ESC>v または vi モードの v を使用して、事前に変換されたソフトキーを編集することはできません (これ以降のコマンドは変換されないからです)。

keysh ではソフトキーを追加しすぎると、コーンシェルのデータサイズの制限 (1M バイト) を超えることがあり、誤動作の原因になります。

keysh では、 terminfo(4) のエントリーで pfkey の機能として定義されたものに限って、ファンクションキーをプログラム設定できます。同様に、 keysh で使用できるターミナルのハードウェア ソフトキーのラベルも、 terminfo(4) のエントリーで pln 機能として定義されているもの (同時に lh が 2 に指定されているもの) だけに限られます。

$KEYESC のデフォルト値は、ローカルおよびネットワークの環境の両方で必要な応答が得られるように設定されています。 入力した emacs モードまたは vi モードの編集コマンドを keysh が誤ってターミナルのエスケープシーケンスとみなす場合は、 この値を小さく設定してください。

バックアップ ソフトキーで使用するリテラルのキーシーケンス中に \n (改行) を指定すると、HP ターミナルでは正しく表示されなくなります。 代わりに、 \r (キャリッジリターン) を使用してください。

keysh は、ソフトキーラベルをシミュレートしている場合は、 tsm のソフトキーは表示しません。

ヘルプの表示中は、ページプログラムに送られる環境変数と引き数の数には制限があります。

多言語化対応

環境変数

LANG により、ソフトキーとメッセージの表示に使用する言語が決定されます。

LC_TIME により、状態行の日付と時間に示す文字列の形式と内容が決定されます。

サポートされるコードセット

シングルバイトの文字コードセットがサポートされます。

著者

keysh は HP および AT&T で作成されました。

ファイル

/usr/bin/keysh  

主要実行可能ファイル

/usr/lib/keysh/builtins
  

keysh_config ソフトキー定義ファイル

/usr/lib/keysh/$LANG/softkeys
  

標準ソフトキー定義ファイル

/usr/keysh/$LANG/keyshrc
  

デフォルトユーザー設定ファイル

/usr/lib/nls/$LANG/keysh.cat
  

メッセージカタログ

$HOME/.keyshrc  

ユーザー設定ファイル

$HOME/.softkeys  

ユーザー ソフトキー定義ファイル

参照

ksh(1), tsm(1), softkeys(4), terminfo(4)

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