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HP-UX リファレンス: セクション 1M : システム管理コマンド (A~M) > f

fbackup(1M)

HP-UX 11i Version 2: September 2004
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名称

fbackup ― 選択したファイルのバックアップ

構文

/usr/sbin/fbackup -f device [-f device] ... [-0-9] [-nsuvyAEl] [-i path] [-e path]
[-g graph] [-d path] [-I path] [-V path] [-c config]

/usr/sbin/fbackup -f device [-f device] ... [-R restart] [-nsuvyAEl] [-d path] [-I path] [-V path] [-c config]

説明

fbackup は、 dumpftio の機能を組み合わせたコマンドで、柔軟な高速ファイルシステム バックアップメカニズムを提供します dump(1M) および ftio(1) を参照)。 fbackup は、ファイルを選択して出力デバイスに転送します。転送する各ファイルについて、ファイルの内容とそのファイルを同じ状態に復元するために必要な全関連情報を出力デバイスにコピーします。 出力デバイスは、raw テープドライブ (例えば、DLT テープドライブ)、標準出力、再書き込み可能な光磁気ディスク、またはファイルです。

バックアップするファイルは、ファイルのツリーを明示的に指定することで fbackup セッションに含めるか除外するかを選択します。ユーザーが任意のファイルのグラフを作成するには、コマンド行でオプション -i-e を指定する方法と、オプション -g でグラフファイルを指定する方法があります。定期的に行うバックアップの場合、 -g オプションを指定することで、バックアップグラフの制御が簡単になります。 fbackup は、このグラフからファイルを選択し、それを出力デバイスに転送します。選択方法は、 fbackup で使用するモード (フルまたは増分) によって異なります。

フルバックアップの場合、指定したグラフ内の全ファイルが選択されます。増分バックアップの場合、指定したグラフのうち、前回のバックアップ以降に変更のあったグラフがあれば、そのグラフ内のファイルのみが選択されます。オプション -g を付けてレベル 4 で増分バックアップを行う場合、レベル 0〜3 の最新のバックアップをデータベースファイルから検索します。ファイルの変更時刻が最後に適切にセッションを開始した時刻以前であり、しかも i ノードの変更時刻がそのセッションの終了時刻以前である場合、ファイルはバックアップされません。 増分バックアップの条件を満たしたファイルへのパス上にあるすべてのディレクトリは、ディレクトリ自身の状態が増分バックアップの条件を満たしていなくても、バックアップ媒体にバックアップされます。

fbackup で増分バックアップを行う場合には、以前のバックアップのデータベースが保存されていなければなりません。デフォルトでは、 fbackup はこのデータをテキストファイル /usr/adm/fbackupfiles/dates に保守します。初めて fbackup で増分バックアップを行う前には、必ずディレクトリ /usr/adm/fbackupfiles を作成しなければなりません。オプション -d を使用して、代替データベースファイルを指定することができます。ユーザーは、 fbackup セッションが正常終了したときにこのファイルがアップデートされるように指定することもできます。各セッションの入力は、2 行 1 組で記録されます。各組の第 1 行目には次の 4 つの項目が記録されます。すなわち、グラフファイル名、バックアップレベル、開始時刻、および終了時刻 (時刻はどちらも time(2) の形式) です。各組の第 2 行目には第 1 行目と同じ時刻が記録されますが、その形式は strftime(3C) です。 これらの行には、 ローカルの STARTED: に相当する開始時刻と、 ローカルの ENDED: に相当する終了時刻が記録されています。各組の第 2 行目は、日付ファイルを読みやすくしただけのもので、 fbackup はこの行を使用しません。各フィールド間は空白で区切られています。以前のセッションがそのグラフを使用して実行した時刻を確認するために、以前にバックアップされたデータベースファイルをチェックし、グラフファイル名を 1 文字ずつ比較します。 fbackup は、例えば graph./graph を別々の 2 つのグラフファイルとして処理するので、この 2 つのファイルのような例にならって 1 つのグラフファイルを指定することがないように、十分に注意してください。

使用するデバイスタイプにかかわらず fbackup ボリュームの一般的な構造は同じです。ただし、デバイスの機能の違いによりデバイス固有のわずかな違いがあります。一般的な構造は次のとおりです。

  • ASCII 形式のテープラベルのための予約スペース (1024 バイト)

  • fbackup ボリュームヘッダ (2048 バイト)

  • セッションインデックス (ボリュームヘッダのフィールド内のサイズ)

  • データ

インデックス内の各ファイルエントリーには、ファイルのサイズ、ボリューム番号およびパス名が含まれています。各ボリュームの最初の時点では、 fbackup は、まだバックアップされていない全ファイルがそのボリュームに入るものと仮定します。 この仮定は、最後のボリューム以外は正しくありません。 同じセット内のインデックスは、その前のボリュームについては正確です。つまり、最後のボリュームのインデックスが、そのボリューム上にファイルがあることを示していても、それが実際にバックアップされたものではない可能性があります (例えば、インデックスが作成された後ファイルが削除されたが、 fbackup がそのファイルのバックアップをしようとした場合)。どのような状態でも必ず確実に正しいといえるインデックスは、オンラインインデックス (-I オプション) だけです。オンラインインデックスは最後のボリュームが書き込まれた後に作成されます。

fbackup ボリュームの構造上の相違点について、次にリストします。

  • 磁気テープデバイスを使用する場合は、主要な情報 (テープラベル、ボリュームヘッダ、インデックス、データ) のブロックは、EOF マークで区切られています。 また、 fbackup は、エラー回復機能を向上させるためにチェックポイントを定期的に媒体に記録します。 書き込みエラーが検出された場合、通常 2 つの回復方法があります。 (1) 新しいボリュームをマウントし、ボリュームを最初から書き直す方法。 (2) ボリュームの障害があまり深刻でない場合は、エラー発生以前の正常なデータを保存し、書き込みエラーは通常の媒体終端として処理する方法。 チェックポイント記録の付いたデータの各ブロックも、それぞれ EOF マークで区切られています。 さらに DDS テープドライブでは、 高速検索マーク がサポートされている場合、これらを各ファイルのブロック間で使用することによって、選択的回復の速度を向上させることができます。 DLT テープドライブでは同様に、インデックスで指定されているファイルサイズと共にチェックポイント用の EOF マークを使用して、高速な選択的回復を行うことができます。

  • 光磁気デバイス、ディスク、ファイル、または標準出力の場合、各情報を区切るマークは特にありません。 バックアップは、必ず単一のファイル (ボリューム) です。

fbackup には、 UCB モードのテープドライブを使用することができます。これにより、2 台以上のテープドライブがシステムに接続されている場合、テープの巻戻し時間をオーバラップすることができます。

設定

fbackup を定期的に使用するように設定する場合、いくつか考慮することがあります。例えば、デバイスタイプや媒体の種類、フルバックアップと増分バックアップの頻度、オンラインにしておくロギング情報の量、グラフファイルの構造、オンラインバックアップとオフラインバックアップなどです。

バックアップに使用するデバイスタイプは、媒体の費用、自動バックアップ機能およびバックアップの速度などに影響します。36 トラックテープを使用すれば、最も高い性能を発揮できると思われますが、ユーザーがテープの交換を行わなければなりません。DLT および DDS のオートチェンジャーおよびライブラリではどちらも、自動バックアップが可能です。 光磁気オートチェンジャーを使用しても大規模なシステムで自動バックアップができ、媒体の寿命も長いですが、コストが高く付きます。 単一の DLT テープドライブを使用するとより安く良い性能が得られますが、マルチボリュームになる場合には自動バックアップはできません。

フルバックアップの頻度や、フルバックアップの間の増分バックアップの頻度を考慮することも大切です。時間の間隔として、例えば毎週金曜日にフルバックアップをし、それ以外の毎日に増分バックアップをするという方法もあります。増分バックアップを自動で実行したい場合には、媒体の機能を利用することができます。媒体を交換する人員を用意できるかどうかも、バックアップに必要な時間とともに重要な要素となります。その他、契約上の要件や法的要件などいろいろな要素から、フルバックアップと増分バックアップの組合わせを決定します。

バックアップ情報 (-V オプションや -I オプションの出力) をオンラインで保持する場合、確保する記憶領域についても考慮しなければなりません。索引ファイルのサイズは、システムの設定によって変わるので、前もって予測することは困難です。各ボリュームのヘッダファイルは、1536 バイト未満です。もちろん、オンラインに保持されている情報が多ければ、それだけ回復のときにバックアップ媒体を検索する速度も速くなります。

グラフファイルやシステムバックアップに使用するファイルの構成方法はいくつかあります。まず、バックアップのグラフファイルを 1 つにするか複数にするかを決定します。ファイルを 1 つにすると簡単ですが、柔軟性に欠けます。2 つ以上のグラフファイルを使用すると、バックアップを論理セットに分けるときに簡単になります。 例えば、変更があまり頻繁でないシステムディスク用に 1 つのグラフファイルを、ユーザー領域用にもう 1 つのグラフファイルを使用することができます。このように、フルバックアップと増分バックアップにそれぞれの方針を使用することができるわけです。

fbackup にアクティブファイルを再試行する機能をもたせることで、システム使用中にこのコマンドを使用してバックアップができるように設計されています。フルバックアップ時に完全な一貫性が重要になってくる場合は、システムはシングルユーザーモードにしておくほうがよいでしょう。ただし、システムが通常の使用状態である間は、増分バックアップを実行できるので、システムの動作可能時間を改善できます。

オプション

-c config 

config は、構成ファイルの名前です。以下のパラメータ値もここに記述することができます。

  • 1 レコードあたりの 1024 バイトブロックの数

  • 割り当てる共有メモリのレコード数

  • チェックポイント間のレコード数。 チェックポイント間の EOF マークは DLT テープドライブでの高速検索にも使用されるため、チェックポイントの頻度を変更すると、選択的回復の速度にも影響することがあります (「警告」の項を参照)。

  • ファイル読み取りプロセスの回数

  • fbackup がアクティブファイルを再試行する最大回数

  • アクティブファイルのバックアップの再試行中に使用する媒体の最大バイト数

  • 磁気テープボリュームの最大使用可能回数

  • ボリュームの変更が発生した場合に実行したいファイル名。このファイルは、必須であり、しかも実行可能なファイルでなければなりません。

  • 致命的なエラーが発生した場合に実行したいファイル名。このファイルは、必須であり、しかも実行可能なファイルでなければなりません。

  • DDS テープ上の各 高速検索マーク の間のファイル数。このマークによるコストは、 DDS テープ上のスペースに関しては無視できるコストです。一部の DDS テープデバイスは、 高速検索マーク をサポートしていません。

構成ファイルの各エントリーは、1 行のテキストで、識別子、空白、引き数という形式になっています。次の構成ファイルの例で、各設定は、レコードあたりのブロックの数が 16、共用メモリのレコード数が 16、チェックポイントの頻度が 256、ファイル読み取りプロセスの数が 2、アクティブファイルの再試行の最大回数が 5、アクティブファイルの再試行領域の最大バイト数が 5,000,000 バイト、磁気テープのボリュームの最大使用可能回数が 100、ボリューム変更時に実行されるファイルが /var/adm/fbackupfiles/chgvol、 致命的なエラーの発生時に実行されるファイルが /var/adm/fbackupfiles/error、 DDS テープの 高速検索マーク 間のファイルの数が 200 です。


blocksperrecord   16
records           16
checkpointfreq    256
readerprocesses   2 (maximum of 6)
maxretries        5
retrylimit        5000000
maxvoluses        100
chgvol            /var/adm/fbackupfiles/chgvol
error             /var/adm/fbackupfiles/error
filesperfsm       200

ここにリストした各値は、デフォルト値でもあります。ただし chgvol および error は例外で、デフォルトではヌル値になっています。

-d path 

このオプションは、増分バックアップに使用するデータベースへのパスを指定します。このオプションは、デフォルトのデータベースファイル /var/adm/fbackupfiles/dates を置き換えます。

-e path 

path は、バックアップグラフから除外したいツリーを指定します。このツリーは、バックアップグラフの一部であるサブツリーでなければなりません。この条件を満たしていない場合は、ツリーを指定してもグラフからはどのファイルも除外されません。 -e を指定する回数に制限はありません。

-f device 

device は、出力ファイルの名前を指定します。このファイルの名前として - が指定されている場合、 fbackup は標準出力に書き込みます。出力ファイルにはデフォルト値はないので、少なくとも 1 つは指定しなければなりません。複数の出力ファイルが指定されている場合、 fbackup は各ファイルを順次使用し、ファイルを最後まで使用したら最初のファイルに戻って使用します。デバイス名には、シェル sh(1) やその他のシェルのマニュアルエントリーを参照) で行うようなファイル名の展開に類似したパターンが使用できます。パターンは必ず引用符で囲み、シェルによる展開から守ってください。パターンの展開は、使用デバイスのリストに掲載されている名前のうち、一致する全名前に影響します。

リモートデバイスが使用されている場合、動作はわずかに異なります。リモートマシンは、 machine:device の形式で指定することができます。 fbackup は、 テープデバイスにアクセスするために、 リモートのマシン上の /usr/sbin/rmt から、 サーバプロセスを生成します。 /usr/sbin/rmt がリモートシステム上にない場合は、 fbackup が、 テープドライブにアクセスするために、リモートマシン上の /etc/rmt からサーバプロセスを生成します。 磁気テープだけが、リモートデバイスとして使用できます。リモートの DDS テープデバイスを使用している場合は、 高速検索マーク 機能は使用されません。

-g graph 

graph は、グラフファイルを定義します。グラフファイルは、テキストファイルで、バックアップグラフに含むツリーのファイル名および除外するツリーのファイル名のリストが記述されています。これらのツリーは、オプション -i-e で指定する場合と同じ方法で解釈されます。グラフファイルのエントリーは 1 行のテキストで、先頭に i または e があり、これに続けて、空白、ツリーのパス名を記述します。 i または e で始まっていない行は、エラーとみなされます。グラフファイルにはデフォルト値はありません。例えば、サブツリー /usr/lib 以外の /usr の全ファイルをバックアップするには、次の 2 つのレコードを含むファイルを作成します。

i /usr 
e /usr/lib 

-i path 

path は、バックアップグラフに含めたいツリーを指定します。オプション -i を指定する回数に制限はありません。

-n  

NFS のマウントポイントを越えます。デフォルトでは、 fbackup はオプション -i-g で指定したパスにかかわらず、 NFS のマウントポイントを越えません。

-l  

バックアップグラフで指定された LOFS ファイルを含めます。 デフォルトでは、 fbackup は、LOFS のマウントポイントを越えません。 -l が指定され、 バックアップグラフ内にある LOFS ディレクトリの中にもあるファイルがバックアップグラフに含まれている場合、そのようなファイルは 2 度バックアップされることになります。

-s  

シンボリックリンクの参照しているオブジェクトをバックアップします。デフォルトの動作では、シンボリックリンクをバックアップします。

-u  

過去のバックアップのデータベースをアップデートします。このデータベースには、バックアップレベル、セッションの開始時刻および終了時刻、およびこの fbackup セッションに使用されているグラフファイルが記載されています。このアップデートを完了するには、次の 3 つの条件が必要です。オプション -i-e がどちらも使用できないこと、オプション -g が正確に 1 度だけ指定されていること (後述)、 fbackup が正常終了することです。

-v  

冗長モードで実行します。他の方法では見られないステータスメッセージが生成されます。

-y  

全質問に対して自動的に yes と応答します。

-A  

ファイルのアクセス制御リスト (ACL) にあるオプションのエントリーはバックアップしません。通常は、オプションである ACL のエントリーを含む、すべてのモード情報がバックアップされます。オプション -A を指定すると、要約モード情報 (stat() が戻す情報) がバックアップされます。このオプションは、 ACL を認識しないシステム上に回復するために、 ACL を含むシステムからファイルをバックアップするときに使用します acl(5) を参照)。

-E  

拡張属性をバックアップしません。 通常、設定されたすべての拡張属性がファイルとともに含まれます。 このオプションは、拡張属性をサポートするファイルシステムにのみ適用されます。

-I path 

path は、生成するオンライン索引ファイルの名前を指定します。このファイル内には、その索引ファイルの名前がセッション中にバックアップされた各ファイルごとに 1 行で記述されています。この行は、ファイルサイズ、バックアップされたファイルが存在するボリューム番号、およびファイル名から構成されています。オプション -I を省略すると、索引ファイルは生成されません。

-V path 

正常な fbackup セッションの最後で、 path にボリュームヘッダ情報が書き込まれます。ヘッダ内の以下のフィールドが、 label:value の形式で 1 行に 1 組み書き込まれます。

Magic Field  

有効な fbackup 媒体について、値 FBACKUP_LABEL (HP-UX リリース 10.20 以降)、HP-UX リリース 10.20 以前のものは、値 FBACKUP LABEL が書き込まれます。

Machine Identification
  

このフィールドには、 uname -m の結果が書き込まれます。

System Identification
  

このフィールドには、 uname -s の結果が書き込まれます。

Release Identification
  

このフィールドには、 uname -r の結果が書き込まれます。

Node Identification
  

このフィールドには、 uname -n の結果が書き込まれます。

User Identification
  

このフィールドには、 cuserid() の結果が書き込まれます cuserid(3S) を参照)。

Record Size  

このフィールドには、データレコードの最大長がバイト単位で書き込まれます。

Time  

このフィールドには、 fbackup 開始時点の時刻が書き込まれます。

Media Use  

このフィールドには、媒体をバックアップに使用した回数が書き込まれます。情報は実際には媒体上にあるため、このフィールドの値は常に 0 になります。

Volume Number  

このフィールドには、 # 文字に続く 3 桁の数字が書き込まれ、バックアップ内のボリュームの数を示します。

Checkpoint Frequency
  

このフィールドには、チェックポイント間のデータレコード数が書き込まれます。

Index Size  

このフィールドには、インデックスのサイズが書き込まれます。

Backup Identification Tag
  

このフィールドは 2 つの項目から構成されています。プロセス ID (pid) とそのプロセスの開始時刻です。

Language  

このフィールドには、バックアップを作成するために使用する言語名が書き込まれます。

-R restart 

以前に割り込みを受信したところから fbackup セッションを再開します。ファイル restart には、割り込みを受けたセッションを再開するために必要な全情報が記載されています。この再開オプションは、オプション -[ieg0-9] のどのオプションとも一緒に使用することができません。

-0-9 

この 1 桁の数字で、バックアップレベルを指定します。レベル 0 は、フルバックアップを指定します。1 以上の値は、一般に、増分バックアップの実行に使用します。特定のレベルで特定のグラフの増分バックアップを実行する場合、過去のバックアップのデータベースが検索され、同じグラフのより低いレベルで行われた一番最近のバックアップの日付が調べられます。それに該当するエントリーがないときは、開始時刻をバックアップの日付とみなします。この日付以降に変更のあったグラフ内の全ファイルがバックアップされます。

アクセス制御リスト (ACL)

オプションの ACL エントリーがファイルに存在する場合、そのファイルを ACL 機能がないシステム上に復元するには、オプション -A が必要です。

多言語化対応

環境変数

LC_COLLATE は、ファイルがバックアップデバイスに保存される順序、およびオプション -I による出力の順序を決定します。

LC_TIME は、日付の文字列と時刻の文字列の内容と形式を決定します。

LC_MESSAGES は、メッセージを表示する言語を決定します。

環境中に LC_COLLATELC_TIMELC_MESSAGES のいずれかが指定されていない場合、またはこのいずれかに空文字列が設定されている場合、指定のない値または空の値のそれぞれに対して LANG の値がデフォルトとして使用されます。 LANG が指定されていないか、空文字列が指定されている場合、 LANG の代わりにデフォルトである "C" lang(5) を参照) が使用されます。多言語対応変数の設定に 1 つでも正しくないものがある場合、 fbackup はすべての多言語対応変数に "C" が設定されているように動作します。 environ(5) を参照してください。

サポートされるコードセット

シングルバイト文字コードとマルチバイト文字コードがサポートされています。

戻り値

fbackup は、以下の値のどちらかを返します。

処理が正常に終了すると 

0 を返します。

割り込みを受信してもその状態を保存して処理を再開することができる場合には
  

1 を返します。

エラー状態でセッションが完了しない場合には
  

2 を返します。

警告状態がある場合には 

4 を返します。

警告メッセージが表示された場合は、fbackup のログを調べて、バックアップが正しく行われたかどうかを確認してください。

以下の 2 つの例では、対象のグラフが /usr/lib を除くすべての /usr を指定しているものとします (上の -g オプションで説明したとおり)。

まず最初の例は、フルバックアップを行い、データベースファイルをアップデートしないという単純な例です。これは、次のようにすると実行できます。

/usr/sbin/fbackup -0i /usr -e /usr/lib -f /dev/rmt/c0t0d0BEST 

次の例は少し複雑で、増分バックアップを実行することができるように、以前の fbackup セッションのデータベースを保守します。

適切なオンライン記憶領域が利用可能な場合、ディスク上に最新のものから順にいくつか索引ファイルを保存しておくのがよいでしょう。こうしておくと、回復したいファイルがそのセット上にないかどうかを調べるときに、バックアップ媒体からインデックスを回復する必要がなくなります。オンライン索引ファイルを保守するための方法の 1 つを後述します。システム管理者は、 fbackup を最初に実行する前に必ず次の作業を行ってください (必要な場合は、中間レベルのディレクトリも作成します)。

  • ディレクトリ /var/adm/fbackupfiles に、 config という名前で適切な構成ファイルを作成します。

  • ディレクトリ /var/adm/fbackupfiles/graphs に、 usr-usrlib という名前でグラフファイルを作成します。

  • ディレクトリ /var/adm/fbackupfiles/indices に、 usr-usrlib という名前でディレクトリを作成します。

以下の作業を実行するシェルスクリプトを、各 fbackup セッションで実行することができます。

  • 使用するグラフファイル (パラメータとしてそのスクリプトに渡されるファイル) およびセッションの開始時刻 (システムから取得される時刻) の両方に基づいて索引ファイルのパス名を作成します。 以下にその例を示します。

    /var/adm/fbackupfiles/indices/usr-usrlib/871128.15:17
    (1987年 11月 28日午後 3:17 開始の例)

  • このパス名を fbackup の索引ファイル名として、このコマンドを実行します。以下にその例を示します。

    cd /var/adm/fbackupfiles
    /usr/sbin/fbackup -0uc config -g graphs/usr-usrlib\ 
       -I indices/usr-usrlib/871128.15:17\ 
          -f /dev/rmt/c0t0d0BEST 

セッションが正常に終了すると、インデックスが自動的に正しい 位置に置かれます。

警告

fbackup は、複数の実行形式オブジェクトから成っています。 これらのオブジェクトはすべて、 /usr/sbin ディレクトリに存在する必要があります。

fbackup の実行には、特別な権限は必要ありません。 ただし、ユーザーがアクセス権を持たないファイルについては、バックアップされません。

安全上の理由から、構成ファイル、 chgvol 実行形式ファイル、および error 実行形式ファイルは、所有者だけが書き込み可能とする必要があります。

リリース 10.20 より、HP-UX はラージファイル (2GB より大きい) をサポートし、 UID/GID を拡張 (60,000 より大きい) します。これらの属性のファイルを含んだアーカイブは、拡張されたサイズをサポートしていないシステム上では重大な問題が発生します。 このため、 fbackup は新しいマジックナンバー ("FBACKUP_LABEL") のテープを作成します。これによって、 fbackup テープアーカイブが 10.20 以前の HP-UX システム上で復元されることを防止できます。 frecover は両方のテープフォーマットを読み込むので、10.20 以前の HP-UX システム上で作成された fbackup テープアーカイブを復元することができます。

EOF マークは、すべての磁気テープデバイスでチェックポイント用に使用されます。 DLT テープデバイスでは、EOF マークは選択的回復の高速検索にも使用されます。 この場合の「高速検索」とは、希望のファイルより前の最も近いチェックポイントまで移動してから、そのファイルが見つかるまで読み取るという方法です。 チェックポイントには目的が 2 つあるため、チェックポイント頻度パラメータを変更する場合は注意が必要です。

HP-UX リリース 8.0 からは、 RFA ネットワークは旧式なので、 fbackup はネットワーク特殊ファイルをバックアップしません。 バックアップグラフ内でネットワーク特殊ファイルを見つけてそのファイルをスキップした場合、警告メッセージが表示されます。

スーパーユーザーが、 NFS マウント状態のファイルシステムのバックアップに fbackup を使用しても、期待どおりに動作する保証はありません。これは、スーパーユーザーがアクセスした場合、 NFS はユーザーの root とユーザー ID 0 をユーザー nobody (通常はユーザー ID -2) にマップして処理するためで、これによりリモートシステム上のルート特権はローカルシステム上のルートユーザーに許可されなくなります。

ユーティリティセットは fbackupfrecover で構成されていますが、これはもともと全ファイルシステム記憶領域が 1G バイト以下のシステム上で使用するように設計されたものです。このユーティリティはプログラミング上、記憶領域のサイズについての使用制限はありませんが、かなり規模の大きいシステム全体のバックアップや回復を行うと、 インデックスを保存するための仮想メモリ (スワップ領域) が大きくなるために、システムの活動量が膨大になります。 バックアップの量に伴うシステム全体の動作についての知識があまりないユーザーが、このユーティリティを使用する場合には、一度にそのシステム全体をバックアップしようとしないで、複数の小さいセッションに分けてそのシステムをバックアップするほうがよいです。

バックアップ進行中に内容に変更はないが i ノードデータが変更されたファイルは、現在のファイルシステムの制限によって、同一のグラフの次の増分バックアップからはスキップされる可能性があります。また、 fbackup は、ファイルの i ノード変更時刻を元の値に戻しません。

fbackup は、巻き戻ししないデバイス (例: /dev/rmt/0mn) では使用できません。

fbackup は、強制的に抹消されると、システムに戻らないリソースを割り当ててしまいます。 fbackup を抹消する必要がある場合は、 SIGKILL でなく SIGTERM を送信してください。

すき間のあるファイルをデータ圧縮せずにバックアップすると、膨大な量の媒体が消費されます。

fbackup は、 dd ではコピーできないボリュームフォーマットでボリュームを作成します dd(1) を参照)。 ある媒体上に作成された fbackup ボリュームを別の型の媒体にコピーしても、その新しい媒体上には有効な fbackup ボリュームは作成されません。これは、raw 磁気テープ、通常ファイル、書き換え可能な光磁気ディスク上のボリュームのフォーマットが同一ではないためです。

パラメータ blocksperrecord (オプション -c を参照) の構成を行う場合、レコードサイズの上限はテープドライブに使用できる最大サイズです。一般的なレコードサイズには、DLT および DDS テープドライブの 128 ブロック、HP7980 の 60 ブロックがあります。 また、初期のリリース (7.0 以前) に使用されていた blocksize は 512 バイトだったことにも注意してください。 現在はこれが 1024 バイトになっています。 このことにより、初期のリリースで blocksperrecord に指定した値と同じ値を使用した場合、現在のリリースでは 2 倍のサイズのブロックが作成されることになります。 例えばパラメータ blocksperrecord の値が 32 の場合、リリース 7.0 では 16K バイトブロックが作成されますが、現在のリリースでは 32K バイトブロックが作成されます。 blocksperrecord のバイト数が、テープドライブの許容バイト数を超えた場合、テープドライブは書き込みを拒否し、エラーが fbackup に渡されます。 fbackup はこれを受けて、テープが不良と見なします。このときの書き込みエラーメッセージは、以下のようなものです。

fbackup (3013): Write error while writing backup at tape block 0. 
Diagnostic error from tape 11...... SW_PROBLEM  (コンソールのドライバーで出力)
fbackup (3102): Attempting to make this volume salvageable. 
その他

制約

NFS

ネットワークファイルのアクセス制御リストは要約されますが (st_modestat() が返すように)、新しいファイルにはコピーされません stat(2) を参照)。 fbackup は、 QIC 装置の QIC-120 および QIC-150 フォーマットはサポートしていません。 fbackup にこれらの形式を使用しようとすると、 fbackup の実行は失敗し、次のメッセージが表示されます。

mt lu X: Write must be a multiple of 512 bytes in QIC 120 or QIC 150 

著者

fbackup は、HP により開発されました。

ファイル

/var/adm/fbackupfiles/dates
  

過去のバックアップのデータベース

参照

cpio(1), ftio(1), dump(1M), frecover(1M), restore(1M), rmt(1M), stat(2), acl(5), mt(7)

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