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HP-UX リファレンス: セクション 1M : システム管理コマンド (A~M) > f

frecover(1M)

HP-UX 11i Version 2: September 2004
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名称

frecover ― 選択したファイルの回復

構文

/usr/sbin/frecover -r [-hmosvyAFNOX] [-c config] [-f device] [-S skip] [-E extarg]

/usr/sbin/frecover -R path [-f device]

/usr/sbin/frecover -x [-hmosvyAFNOX] [-c config] [-e path] [-f device] [-g graph]
[-i path] [-S skip] [-E extarg]

/usr/sbin/frecover -I path [-vy] [-f device] [-c config]

/usr/sbin/frecover -V path [-vy] [-f device] [-c config]

説明

frecover は、 fbackup コマンドで書き込まれた媒体を読み取ります。このコマンドの動作は、 -r-R-x-V および -I で指定する機能で制御できます。

frecover が実行する機能は、以下のオプションのいずれかで指定します。

-r  

バックアップ媒体 (メディア) が読み取られ、その内容がバックアップされた元のディレクトリにロードされます。このオプションは、完全なバックアップを空のディレクトリに回復するとき、または、フルレベル 0 の回復の後に増分バックアップを回復するときのどちらかの場合のみに使用してください fbackup(1M) を参照)。この動作がデフォルトです。

-x  

オプション -i-e、 および -g (後述) で指定するファイルが、バックアップ媒体から抽出するファイル、 または抽出しないファイルとして指定されます。抽出するファイルが、 バックアップ媒体に内容を書き込まれたディレクトリに一致し、しかもオプション -h を指定していない場合、このディレクトリが再帰的に抽出されます。所有者、変更時刻、およびアクセス制御リスト (オプション -A が指定されていなければ、オプションのエントリーも含む) が回復されます。オプション -h が指定されていない場合、引き数であるファイル (空のグラフファイルを含む) が指定されていなければ、バックアップ媒体上の全ファイルが抽出されます。

-I path 

現在のボリューム上のインデックスがバックアップ媒体から抽出され、 path に書き込まれます。

-V path 

現在のボリューム上のボリュームヘッダがバックアップ媒体から抽出され、 path に書き込まれます。ボリュームヘッダから以下のフィールドが、各行 1 組ずつ label:value の形式で抽出されます。

Magic Field  

有効な fbackup 媒体では、値 FBACKUP_LABEL (HP-UX リリース 10.20 以降)、HP-UX リリース 10.20 以前のものは、値 FBACKUP LABEL が書き込まれます。

Machine Identification
  

このフィールドには、 uname -m の結果が書き込まれます。

System Identification
  

このフィールドには、 uname -s の結果が書き込まれます。

Release Identification
  

このフィールドには、 uname -r の結果が書き込まれます。

Node Identification
  

このフィールドには、 uname -n の結果が書き込まれます。

User Identification
  

このフィールドには、 cuserid(3S) の結果が書き込まれます。

Record Size  

このフィールドには、データレコードの最大長がバイト単位で書き込まれます。

Time  

このフィールドには、 fbackup 開始時点の時刻が書き込まれます。

Media Use  

このフィールドには、媒体をバックアップに使用した回数が書き込まれます。

Volume Number  

このフィールドには、 # 文字に続く 3 桁の数字が書き込まれ、バックアップ内の現在のボリューム番号を示します。

Checkpoint Frequency
  

このフィールドには、チェックポイント間のデータレコード数が書き込まれます。

Fast Search Mark Frequency
  

このフィールドには、 DDS テープドライブでのバックアップで、 高速検索マーク 間のファイル数が書き込まれます。

Index Size  

このフィールドには、インデックスのサイズが書き込まれます。

Backup Identification Tag
  

このフィールドは 2 つの項目から構成されています。プロセス ID (pid) とそのプロセスの開始時刻です。

Language  

このフィールドには、バックアップを作成するために使用する言語名が書き込まれます。

-R path 

このオプションを使用すると、割り込みを受信したフル回復を継続することができます。 frecover は、割り込みを受信したところから回復を継続するときに、ファイル path 上の情報を使用します。このオプションを指定した frecover で使用できるコマンド行オプションは、 -f だけです。 frecover のその他のオプションはすべて path 内の値に置き換えられます。 再開ファイルにはインクルードリストやエクスクルードリストの履歴は保存されないため、このオプションではフル回復だけしか再開できないので注意してください。部分回復 (つまり、オプション -x を使用した回復) で割り込みを受信してからこのオプションで再開した場合、 frecover は、その部分回復で残されたところについて回復を継続しますが、その場合、 割り込み時以降のバックアップ媒体上にある全ファイルを回復します。

機能を選択する上記のオプション以外に、以下のオプションを使用することができます。

-c config 

config は、 frecover の動作を変更するために使用する構成ファイルの名前を指定します。 構成ファイルを使用して、全エラーに対する動作、媒体エラーに再同期するときの最大実行回数 (オプション -S)、 および媒体エラーに対する動作を指定することができます。構成ファイルの各エントリーは、動作識別子とそれに続く区切り文字、更に特定の動作で構成されています。有効な動作識別子は、 errorchgvol、 および sync です。区切り文字はタブまたはスペースです。次に示す構成ファイルの例では、エラーを検出するたびにスクリプト /var/adm/fbackupfiles/frecovererror が実行されます。バックアップ媒体の交換が必要になるたびにスクリプト /var/adm/fbackupfiles/frecoverchgvol が実行されます。再同期最大実行回数は 5 回です。

error  /var/adm/fbackupfiles/frecovererror 
chgvol /var/adm/fbackupfiles/frecoverchgvol 
sync 5 

-e path 

path を、回復から除外したいグラフとして解釈します。オプション -e を指定する回数に制限はありません。

-f device 

device は、デフォルトである /dev/rmt/0m の代わりに使用したいバックアップデバイスを指定します。 device の値が - の場合、 frecover は標準入力から読み取ります。このため、 fbackupfrecover は、次に示すように、ファイルシステムのバックアップと回復を続けて行うときに、パイプラインで使用することができます。

fbackup -i /usr -f - | (cd /mnt; frecover -Xrf -) 

複数の出力ファイルが指定されている場合、 frecover は各ファイルを順次使用し、最後まで使用したら最初に戻って使用するという動作を繰り返します。デバイス名には、 sh(1) で行うようなファイル名の拡張と同じようなパターンが使用できます。パターンの展開は、使用デバイスのリストにある名前のうち、一致するすべての名前を対象とします。リモートマシン上の装置は、 machine:device の形式で指定することができます。 frecover は、テープドライブにアクセスするためにリモートマシン上にサーバのプロセス /usr/sbin/rmt を生成します。 /usr/sbin/rmt がリモートシステム上にない場合は、 frecover は、リモートのテープ装置にアクセスするために リモートマシンの /etc/rmt から、サーバのプロセスを生成します。 パターンマッチング機能はリモートデバイスには適用されません。 raw 磁気テープだけが、リモートデバイスとして使用できます。リモートの DDS デバイスにアクセスしているときは、 高速検索マーク 機能は使用されません。

-g graph 

graph は、グラフファイルを定義します。グラフファイルは、テキストファイルで、バックアップグラフに含めたいファイル名およびスキップしたいファイル名 (グラフ) のリストが記述されています。ファイルは、オプション -i を指定して回復します。 このため、 /usr の全ファイルを回復するには、グラフファイルには次のエントリーを 1 つ記述します。

i /usr 

また、オプション -e を使用してファイルをスキップすることができます。例えば、サブグラフ /usr/lib 以外の /usr の全ファイルを回復したいときは、グラフファイルには次の 2 つのエントリーを記述します。

i /usr 
e /usr/lib 

グラフファイルが存在しない場合、 frecover はエラーメッセージを出力して終了します。グラフファイルが空の場合、対象の媒体上にある全ファイルが回復されます。

-h  

参照しているファイルではなく、実際のディレクトリを抽出します。この方法により、バックアップ媒体から全サブツリーが階層的に回復されるのを防止します。

-i path 

path は、回復に含めたいグラフとして解釈されます。オプション -i を指定する回数に制限はありません。

-m  

ファイルマーカを検出するたびに、メッセージを出力します。このオプションを使用すると、 frecover は、 DDS の 高速検索マーク 、ファイルマーク (EOF)、またはチェックポイントレコードを読み取るたびにメッセージを出力します。このオプションは本来はトラブルシューティングに有効なオプションなのですが、通常なら何も表示しない回復の間、メッセージを出力してバックアップが進行していることをユーザーに知らせることができます。

-o  

ファイルの日付にかかわらず、バックアップ媒体からファイルを回復します。通常、 frecover は、古い日付のファイルを既存のファイルに上書きすることはありません。

-s  

内容の少ないファイルにヌルのブロックを書き込まないことにより、ディスクの使用を最適化します。

-v  

通常、 frecover は何も表示しないで動作します。 これは冗長オプションであり、 処理したファイルの名前とファイルタイプを表示します。

-y  

すべての質問に対して自動的に yes と応答します。

-A  

アクセス制御リスト (ACL) にあるオプションのエントリーを回復しません。通常は、オプションである ACL のエントリーを含む、すべてのアクセス制御情報が回復されます。このオプションは、オプションのエントリーをすべて処理せず、回復するファイルのパーミッションを、バックアップされたファイルのパーミッションと同じ値に構成します。このオプションは、 ACL のあるシステムからバックアップされたファイルを ACL のないシステム上に回復するときに使用します acl(5) を参照)。

-F  

先行するディレクトリを回復しないで、ファイルを回復します。例えば、このオプションは、 /usr/bin/vi, /usr/bin/sh, および /etc/passwd を、それぞれのグラフ構造を作成しないで、ローカルディレクトリに回復したいときに使用することができます。

-E extarg 

fbackup によってバックアップされた、拡張属性の処理を指定します。 -E オプションは、引き数として以下のキーワードを取ります。

warn  

拡張属性を復元できない場合、警告メッセージを出しますが、 ファイルの復元は行います。

ignore  

拡張属性を復元しません。

force  

拡張属性を復元できない場合、警告メッセージを出し、 ファイルの復元を行いません。

拡張属性をサポートしないファイルシステムでは、拡張属性は復元されません。 また、 ファイルシステムのブロックサイズが拡張属性と互換性を持たない場合も、 復元されません。 -E が指定されない場合は、 extarg のデフォルトは warn となります。

-N  

(回復なし) このオプションを指定すると、 frecover は、実際にはどのファイルもディスクに回復しませんが、バックアップのデータを回復したときと同様にバックアップを読み取り、しかも通常の回復と同様の出力をします。このオプションは、バックアップ媒体の内容の有効性 (ブロックチェックサム エラーが報告されます) および内容 (オプション -N-v をともに指定すると、ファイルのリストが作成されます) について確認するときに便利です。なお、オプション -N-v をともに指定して、ファイルのリストを作成するには、バックアップ全体を読み取る必要があることに注意してください。そのため、このリストは、バックアップの開始時に保存されたインデックスよりも正確にバックアップの内容を反映します (このインデックスはバックアップセッションの開始時に作成されますが、バックアップの過程で変化することはありません)。

-O  

回復するファイルの所有者およびグループに対して、バックアップ媒体上の値の代わりに実行ユーザー ID と実効グループ ID を使用します。

-S skip 

frecover は、媒体エラーが発生したときに、回復を中断するかどうかの質問を表示しないようにします。この場合は、不良ブロック (1 つか複数) をスキップし、回復作業を継続しようとします。残りのデータやあて先不明のデータは、 skip という名前のファイルに書き込まれます。このファイルは編集して回復することができますが、編集しなければ、このデータは回復不能になります。

-X  

現在のワークディレクトリに相対的にファイルを回復します。通常、 frecover はファイルをその絶対パス名に回復します。

多言語化対応

環境変数

LC_COLLATE は、 frecover が、バックアップデバイスにファイルを保存する順序、および -I オプションでファイル名を出力する順序を決定します。

LC_MESSAGES は、メッセージを表示する言語を決定します。

環境中に LC_COLLATELC_MESSAGES が指定されていない場合、または空文字列が設定されている場合、指定のない値または空の値のそれぞれに対して LANG の値がデフォルトとして使用されます。 LANG が指定されていないか、空文字列が指定されている場合、 LANG の代わりにデフォルトである "C" lang(5) を参照) が使用されます。多言語対応変数の構成に 1 つでも正しくないものがある場合、 frecover はすべての多言語対応変数に "C" が構成されているように動作します。 environ(5) を参照してください。

サポートされるコードセット

シングルバイトおよびマルチバイトの文字コードセットがサポートされています。

警告

HP-UX リリース 8.0 をインストールする前に作成された増分バックアップの場合、または、第 1 ボリュームから開始しないで回復する場合 (例えばテープ 3 から読み取るような場合) は、回復可能なファイルの上位ディレクトリが媒体上にないことがあります。このような状態は、例えば、最後のフルバックアップ以降からそのディレクトリが変更されていない場合に発生します。 frecover が回復する予定のバックアップ上のファイルを見つけたのに、そのファイルの上位のディレクトリがバックアップからまだ回復されていない場合、このコマンドはそのファイルから更に回復作業を継続するということを示すメッセージを出力し、続いて必要があればそのファイルの上位ディレクトリを作成します。

frecover を使用するには特別な権限は必要がありませんが、このコマンドを実行するユーザーに対してアクセスパーミッションのないファイルは回復されません。

fbackup のインデックスフォーマットは、1 番目のフィールドにファイルサイズを含むようになりました。 以前のフォーマットでは、このフィールドには'#'文字だけが入っていました。 古いインデックスフォーマットと新しいインデックスフォーマット間の互換性は、どちらの方向へも保証されるように実装されています。 ただしこのファイルサイズは、DLT デバイスの選択的回復の速度を向上するために、チェックポイントと共に使用されます。 このため、 fbackup ボリュームが新しいインデックスフォーマットでない場合は、回復時の性能は向上しません。

部分回復を行うために fbackup の現在のリリースで書き込まれた DDS テープを使用する場合は、 frecover はテープ上のファイルを高速で検索するために DDS の高速検索機能の使用を試みます。ただし、これを行うために、 frecover は、インデックスのメモリ内コピーを作成し、更に、インデックス上のファイルのうち、ファイルの検索のために実際にテープを読み取る前に回復する必要のあるファイルにマークしなければなりません。この作業は、最初のインデックスがテープから読み取られるときに行われます。この作業のために、回復が始まった直後の短い時間、メモリ内インデックスが作成されている間、テープは休止状態になります。インデックスが大きいほど、この時間は長くなります。

ユーティリティセットは fbackupfrecover で構成されていますが、これはもともと全ファイルシステム記憶領域が 1G バイト未満のシステム上で使用するように設計されたものです。 このユーティリティはプログラミング上、記憶領域のサイズについての使用制限はありませんが、かなり規模の大きいシステム全体のバックアップや回復を行うと、インデッスクを保存するための仮想メモリ (スワップ領域) が大きくなるために、システムの活動量が膨大になります。 バックアップの量に伴うシステム全体の動作についての知識があまりないユーザーが、このユーティリティを使用する場合には、一度にそのシステム全体をバックアップしようとしないで、複数の小さいセッションに分けてそのシステムをバックアップするほうがよいです。 ただし、バックアップすべてを 1 つのセッションで実行する必要がある場合、利用可能な仮想メモリが足りないと、 frecover でエラーが発生することがあります。 このエラーが発生したときは、 maxdsiz パラメータを調整するか、スワップ領域を調整してください。 どちらの場合も、リブートが必要です。

アクセス制御リストのあるファイルを復元する場合、 ACL のエントリーはバックアップ上ではユーザーログイン名として保存されるので注意してください。パスワードファイルの中にログイン名がない場合は、ファイルは ACL なしで回復され、エラーが出力されます。 ACL 付きでバックアップされたファイルを完全に回復するためには、必要な ACL を回復しようとする前に、まずパスワードファイル (/etc/passwd) が回復されていなければなりません。

ネットワーク特殊ファイルは廃止されました。 このため frecover は、これらのファイルを回復できません。 ネットワーク特殊ファイルを回復しようとすると警告メッセージが出力され、そのファイルはスキップされます。

オプションで含めたいファイルと除外したいファイルを指定する場合、そのファイル名とテープ上のインデックスにあるファイル名とを一致させるときには注意が必要です。ファイルは、環境変数 LANGLC_COLLATE で定義された辞書式順序でバックアップ媒体上に保存されるので、 frecover は、部分回復を完了する場合や、以前使用したテープのロードが必要な場合を決定するために正確なパス名を使用します。ユーザーが回復したいファイル名を綴りを誤って入力した場合、ボリューム 1 がマウントされているのに frecover が以前のボリュームを尋ねるなど、メッセージが混乱することがあります。

制約

シリーズ 700/800

frecover は、QIC 装置の QIC-120 フォーマットおよび QIC-150 フォーマットはサポートしていません。 frecover にこれらの形式を使用しようとすると、 frecover の実行は失敗し、次のメッセージが表示されます。

mt lu X:Read must be a multiple of 512 bytes in QIC 120 and QIC 150 

著者

frecover は、HP により開発されました。

ファイル

/dev/rmt/0m  

デフォルトのバックアップデバイス

参照

cpio(1), tcio(1), dump(1M), fbackup(1M), restore(1M), rmt(1M), acl(5)

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