名称
lvcreate ― LVM ボリュームグループ内での論理ボリュームの作成
構文
/usr/sbin/lvcreate [-A autobackup] [-c mirror_consistency] [-C contiguous] [-d schedule] [-D distributed] [-i stripes -I stripe_size] [-l le_number | -L lv_size] [-m mirror_copies] [-M mirror_write_cache] [-n lv_name] [-p permission] [-r relocate] [-s strict] vg_name
特記事項
ミラーディスク操作のためには、オプションの HP MirrorDisk/UX
ソフトウェアをインストールしておかなければなりません。 このソフトウェアは、標準の HP-UX オペレーティングシステムには含まれていません。
lvcreate は、ボリュームグループを共有モードでアクティブ化している場合は使用できません。
連帯オプションを用いて作成した論理ボリュームは、共有モードではサポートしていません。
説明
lvcreate コマンドは、 vg_name で指定したボリュームグループ内に新しい論理ボリュームを作成します。
各ボリュームグループ内には、最大 255 個の論理ボリュームを作成することができます。
-n lv_name オプションを指定すると、 その名称で新しい論理ボリュームが作成されます。
これを指定しないと、 lvolN という形式の、システムが生成する名称で作成されます。ここで、 N は、新しい論理ボリュームで最小のマイナー番号 2 つを小数で表わしたもので、範囲は 1 から 255 です。
(lvm(7) を参照) 2 つのデバイスファイルが vg_name 内に作成されます。 lv_name または lvolN という名前のブロック デバイスファイルと、 rlv_name または rlvolN という raw キャラクタ デバイスファイルです。
-l と -L オプションを省略すると、論理ボリュームは長さ 0 で作成されます。
これによって、 lvextend コマンドで論理エクステントを割り当てる際に物理ボリュームの位置を選ぶことができます lvextend(1M) を参照)。 -l または -L を指定すると、自動的に位置が決まります。
デフォルトでは、最も一般的に使われるキャラクタが与えられます。
オプションを使って、論理ボリュームをシステム要件に合わせてください。
論理ボリュームを作成すると、 lvchange コマンド、 lvextend コマンドおよび lvreduce コマンドを使って、特性の一部を変更することができます lvchange(1M)、 lvextend(1M)、 および lvreduce(1M) を参照)。
オプションと引き数
-c、 -d、 -m、 -M、
および -s が意味を持つのは、オプションの HP MirrorDisk/UX ソフトウェアがシステム上にインストールされている場合だけです。
lvcreate は、次のオプションと引き数を認識します。
| vg_name | | ボリュームグループのパス名 |
| -A autobackup | | このコマンドの起動に対して、自動バックアップを設定します。 autobackup の値は、次のうちのどれかです。 | y | | 論理ボリュームに加えたコンフィギュレーション変更を自動的にバックアップします。
これはデフォルトです。 このコマンドが実行された後で、 論理ボリュームの属するボリュームグループに対して vgcfgbackup コマンド
(vgcfgbackup(1M) を参照)
が実行されます。 | | n | | ここでは、コンフィギュレーションの変更をバックアップしません。 |
|
| -c mirror_consistency |
| | | ミラー一貫性回復を設定します。 このオプションは、 -M
n が指定されている場合のみ有効です。 これは、 -M
y に対して無視されます。 mirror_consistency の値は、次のうちのどれかです。 | y | | ミラー一貫性回復をオンに設定します。 これはデフォルトです。 LVM は、すべての論理範囲を走査し、non-stale コピーから他のミラーコピーへデータをコピーすることで、ボリュームグループの活性化中にミラー一貫性回復を実現します。 | | n | | ミラー一貫性回復をオフに設定します。 LVM は、ボリュームグループの活性化時にミラー一貫性回復を実行しません。 |
|
| -C contiguous | | 連続割り当て方針を定義します。連続論理ボリュームには、次の
3 つの特性があります。 ミラーコピー内の物理エクステントの間にギャップがあってはなりません。 ミラーコピーの物理エクステントは、すべて 1 つの物理ボリューム上に存在します。
厳格 (-s) オプションと連続 (-C)
オプションを併用すれば論理ボリュームについてさまざまな結合割り当て方針を設定できます。例えば、 -s
y -C y は、各ミラーコピーは連続するが、 論理エクステントのミラーコピーは同じ物理ボリュームを共有しないような論理ボリュームを決定します。 contiguous の値は、次のうちのどれかです。 | y | | 連続割り当て方針を設定します。 | | n | | 連続割り当て方針を設定しません。 これはデフォルトです。 |
|
| -d schedule | | 複数のミラーのある論理エクステントが書き込まれるときのスケジューリング方針を設定します
(ストライプ付き論理ボリュームのスケジューリング方針はストライプ付きで、変更することはできません)。 schedule の値は、次のうちのどれかです。 | p | | パラレルスケジューリング方針を設定します。 これはデフォルトです。 | | s | | シーケンシャルスケジューリング方針を設定します。ほとんどの場合パフォーマンスが低下しますから、この値は注意深く使用してください。 |
|
| -D distributed | | 分散割り当て方針を設定します。 distributed の値は、次のうちのどれかです。 | y | | 分散割り当てをオンにします。 | | n | | 分散割り当てをオフにします。 これがデフォルトです。 |
分散割り当て方針がオンの場合、1 番目に利用可能な物理ボリュームからは、空きエクステントが 1 つだけ割り当てられます。
次の空きエクステントは、次に利用可能な物理ボリュームから割り当てられます。
空きエクステントの割り当ては、利用可能な物理ボリュームのリストをラウンドロビン順で進みます。 分散割り当て方針がオフの場合、利用可能な各物理ボリュームのすべての空きエクステントを割り当ててから、次に利用可能な物理ボリュームへ進みます。
これがデフォルトです。 分散割り当て方針は、分散エクステントのミラーが重ならないようにするため (可用性を最大限に高めるために)、PVG 厳格割り当て方針
(-s g) を必要とします。 lvcreate(1M) は、使用可能な物理ボリュームのリストを /etc/lvmpvg から取得します。
物理ボリュームグループおよび /etc/lvmpvg の詳細については、 vgextend(1M) を参照してください。 分散エクステントのある論理ボリュームがミラー化された場合、結果として得られたレイアウトは一般的に、エクステントベース
ミラー化ストライプと呼ばれます。 エクステントベース ミラー化ストライプは、希望の物理ボリュームに lvextend(1M) を使用して一度に 1 つだけエクステントを追加すれば、分散割り当て方針でなくても作成できます。 分散割り当て方針は、ストライプ付きスケジューリング方針 (-i stripes ) および連続割り当て方針 (-C y)
とは互換性がありません。 lvchange(1M) コマンドを使用すると、既存の論理ボリュームに分散割り当て方針を指定できます。 表示される値については、 lvdisplay(1M) を参照してください。 また、「例」を参照してください。 |
| -i stripes | | ストライプ中のディスク数を設定します。 stripes は、 2 から カレント ボリュームグループ内のディスク数までの範囲でなければなりません。 -i と -I は、同時に指定しなければなりません。 |
| -I stripe_size | | ストライプのサイズをキロバイト単位で設定します。 stripe_size は、 4 〜 32768 の、 2 のべき乗とする必要があります。 -i と -I は、同時に指定しなければなりません。 |
| -l le_number | | 論理ボリュームにスペースを割り当てます。論理エクステントで指定されます。 le_number は、 1 から 65535 までの範囲
(インプリメンテーション範囲) の小数値です。 デフォルトは、上で説明されています。 -l と -L のどちらかを指定できますが、両方を指定することはできません。 |
| -L lv_size | | 論理ボリュームにスペースを割り当て、メガバイトで指定されます。 lv_size は、 1 から 16777216 の範囲
(インプリメンテーション範囲) の 10 進値です。 lv_size は、論理エクステントサイズの整数倍のうち一番近いものに切り上げられます。
これは、ボリュームグループに対して vgcreate コマンドで定義された物理エクステントと同じです
(vgcreate(1M) を参照)。 デフォルトは、上で説明されています。 -l と -L のどちらかを指定できますが、両方を指定することはできません。 |
| -m mirror_copies | | 各論理エクステントに割り当てられるミラーコピーの数を設定します。
ミラーコピーの持つデータは、オリジナルと同一です。 mirror_copies は、 1 または 2 の値を持つことができます。
デフォルト値は 0 (ミラーコピーなし) です。 |
| -M mirror_write_cache |
| | | ミラー書き込みキャッシュフラグを設定します。 mirror_write_cache の値は、次のうちのどれかです。 | y | | ミラー書き込みキャッシュをオンに設定します。 これはデフォルトです。 ミラーコピーへの書き込みは、すべてミラー書き込みキャッシュに記録されます。
ディスク上のボリュームグループ確保領域内にあるミラー一貫性レコードは、キャッシュに記録されていない論理トラックグループへの書き込みがあるたびに更新されます。
これによって、 LVM は、システムクラッシュが起こった場合でも、すべてのミラーコピーが同一であるかを判定することができます。
ボリュームグループがアクティブ状態にされたとき、ミラー一貫性レコードを使ってミラー一貫性回復が行われます。 | | n | | ミラー書き込みキャッシュをオフに設定します。ミラー書き込みがあってもミラー一貫性レコードへの追加書き込みは行われません。 |
|
| -n lv_name | | 新しい論理ボリュームの名前を lv_name に設定します。 ここで lv_name は、単純なファイル名であって、パス名ではありません。
デフォルトは、上で説明されています。 |
| -p permission | | アクセスパーミッションを設定します。 permission の値は、次のうちのどれかです。 | w | | アクセスパーミッションを読み取り書き込みに設定します。
これはデフォルトです。 | | r | | アクセスパーミッションを読み取り専用に設定します。 |
|
| -r relocate | | バッドブロックの再配置方針を設定します。 relocate の値は、次のうちのどれかです。 | y | | バッドブロックの再配置ができるようにします。 メディア障害
(ディスク上のデータのバッドブロックを検出) の時は、 LVM はバッドブロック
ディレクトリ中に障害ブロックとマークをつけ、ディスク上の新しい場所にブロックを再配置しようとします。
再配置がうまくいけば、エラーは返されず、バッドブロックを対象とする以降の
I/O 要求は、その新しい場所に向けられます。 再配置に失敗した時は、I/O
エラーが返され、バッドブロックを含んだ以降の I/O 要求で再度、再配置が試みられます。 これはデフォルトです。 | | n | | バッドブロックの再配置ができないようにします。 メディア障害の時、
LVM はバッドブロック ディレクトリに障害ブロックを不良とマークをつけますが、
ディスクの新しい場所にバッドブロックを再配置しようとはしません。
バッドブロックを対象とする以降の I/O 要求は、I/O エラーで返されます。 バッドブロックのアクセスはしません。 |
|
| -s strict | | 厳格割り当て方針を設定します。 論理エクステントのミラーコピーは、同一の物理ボリュームおよび物理ボリュームグループを共有するように、または共有しないように割り当てることができます。 strict の値は、次のうちのどれかです。 | y | | 厳格割り当て方針を設定します。 論理エクステントのミラーは、同一の物理ボリュームを共有することができません。
これはデフォルトです。 | | g | | PVG 厳格割り当て方針を設定します。 論理エクステントのミラーは、同一の物理ボリュームグループを共有することができません。
定義済み物理ボリュームグループを持たないボリュームグループ内にある物理ボリューム上には、PVG 厳格割り当て方針を設定することができません。 | | n | | 厳格割り当て方針と PVG 厳格割り当て方針のいずれも設定しません。
論理エクステントのミラーは、同一の物理ボリュームを共有することができます。 |
|
ストライプ付き論理ボリュームは、 strict または PVG-strict の割り当て方針を使用して割り当てられているだけです。ストライプ付き論理ボリュームのエクステント数は、常に、論理ボリュームがストライプされているディスク数の倍数です。 n 個のディスクにストライプされている論理ボリュームが、 n 個のエクステントのセットに割り当てられ、所定のセットの各エクステントは、ボリュームグループ内の異なる物理ボリュームに割り当てられます。
多言語化対応
環境変数
LANG は、どの言語によるメッセージを表示するかを指定します。
LANG が指定されていない場合、またはヌルの場合は、
デフォルトで "C" が使用されます (lang(5) を参照)。
多言語対応変数に誤った設定が含まれていると、 多言語対応変数は、デフォルトですべて
"C" となります (environ(5) を参照)。
例
論理ボリュームをボリュームグループ /dev/vg02 内に作成します。
非厳格割り当て方針で、ボリュームグループ /dev/vg03 内に論理ボリュームを作成します。
ボリュームグループ /dev/vg03 内に 100MB
のサイズの論理ボリュームを作成します。
lvcreate -L 100 /dev/vg03
サイズ 90MB、3 ディスクでストライプサイズが 64KB のストライプ付き論理ボリュームを作成します。
lvcreate -L 90 -i 3 -I 64 /dev/vg03
分散割り当て方針
この例では、エクステントベース ミラー化ストライプを作成するために -D
y オプションを使用する方法を示します。
/dev/vgtest ボリュームブループに、 2 つの物理ボリュームグループ pvg1、 pvg2 があるとします。
各物理ボリュームグループには、物理ボリュームが 2 つあるとします。
各 pvg の 1 番目の物理ボリュームには空きエクステントが 3 つ、各 pvg の 2 番目の物理ボリュームには空きエクステントが 2 つあるとします。
次のコマンドで、vgtest 中に論理ボリュームをエクステントベース
ミラー化ストライプで作成できます。
lvcreate -D y -s g -m 1 -l 5 /dev/vgtest
分散割り当ては、次のように進みます。
pvg1 中の 1 番目の pvol から、空きエクステントが割り当てられます。
pvg1 中の 2 番目の pvol から、空きエクステントが割り当てられます。
pvg1 中の 1 番目の pvol から、空きエクステントが割り当てられます。
pvg1 中の 2 番目の pvol から、空きエクステントが割り当てられます。
pvg1 中の 1 番目の pvol から、空きエクステントが割り当てられます。
同様の方法で、5 エクステントのミラーが、pvg2 の空きエクステントから割り当てられます。
警告
ルート、スワップ、ダンプ論理ボリューム (lvlnboot(1M) 参照) は、連続割り当て方針で作成しなければなりません。
参照
lvchange(1M), lvdisplay(1M), lvextend(1M), lvreduce(1M), pvchange(1M)